フェラーリF1、副チーム代表および技術要職にダンブロシオとセラを起用…メルセデスから引き抜き
スクーデリア・フェラーリはF1第7戦エミリア・ロマーニャGPを週末に控えた2024年5月13日(月)、メルセデスF1チームからロイック・セラとジェローム・ダンブロシオを引き抜き、各々をシャシー・パフォーマンス・エンジニアリング責任者と副チーム代表に任命したと発表した。
2011年から2012年にかけてヴァージンとロータスからF1に参戦したダンブロシオは、2024年シーズンを前にRBのチーム代表に就任したローラン・メキーズが抜けた穴を埋める事になる。メキーズはスポーティング・ディレクターという立場でフレデリック・バスール代表の補佐役を担っていた。
1985年にベルギーで生まれ、2020年までプロのレーシングドライバーとして活躍したダンブロジオは副チーム代表の役割と合わせて、フェラーリの若手ドライバープログラムであるスクーデリア・フェラーリ・ドライバー・アカデミーの責任者を務める。
1972年にフランスに生まれたセラは、エクス=アン=プロヴァンスとパリで学んだ後、機械工学の学位を取得。大学卒業後はミシュランに入社し、その後BMWザウバーとメルセデスAMG F1チームでキャリアを歩んだ。今後はマラネッロの技術部門を率いるエンリコ・カルディーレの下、トラック・エンジニアリング、エアロ開発、エアロ・オペレーション、ビークル・パフォーマンスなど、様々な分野を監督する事になる。
いずれの移籍も数ヶ月前から知られていた事が正式に発表されたに過ぎないものだが、単にルイス・ハミルトンが2025年にメルセデスからフェラーリに加わる事が決定しているからというだけでなく、大きな意味を持ち得るものと言える。
セラはメルセデスF1チーム内で高い評価を受けていたエンジニアだ。また、ダンブロジオはウィリアムズに移籍したジェームズ・ヴァウルズの後任としてのトト・ウォルフ代表の右腕的存在として昨年、メルセデスに加わったばかりだった。
ハミルトンの移籍がセラに影響を与えたというよりは、その逆である可能性の方が高い。メルセデスの元パフォーマンス・ディレクターとフェラーリとの噂が最初に囁かれたのは約1年前の事だった。
セラとダンブロシオはともに10月1日からフェラーリでの職務を開始する。