ネット配信サービス「F1 TV」のデモ画面

フォーミュラ1、インターネット生配信サービス「F1 TV」をリリース

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フォーミュラ1は2月28日、インターネット回線を使ってレース中継を行う新たな試み「F1 TV」のリリースを発表した。同サービスはF1のオフィシャルパートナーである通信サービス大手タタ・コミュニケーションズの協力の下「F1 TV プロ」と「F1 TV アクセス」の2つの料金プランから構成される。現時点では不透明な点も多いが、発表されている内容を以下に紹介する。

「F1 TV」では、フリー走行、予選、決勝、記者会見やレース前のインタビュー等、考えられる限りのあらゆるコンテンツを視聴できる。レース映像と共に現在履いているタイヤやその履歴・周回数、セクター別のベストタイムのデータが並行表示される。もちろんCMはない。また、F1の他にもサポートレースやFIA F2選手権、GP3、ポルシェスーパーカップもライブ配信される。特筆すべき点ではないが、過去の閲覧履歴を見る事も可能だ。

全20台のマシンに取り付けられた車載カメラの映像を見ることも可能。例えば、ピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーの2人のオンボード映像を同時表示する、といった事が可能となる。加えて、テレビやDAZN等、他のプラットフォームでは経験できない視聴者個人の志向や趣味に合わせた複数のサービスも提供されるという。

ネット配信サービス「F1 TV」のデモ画面
ネット配信サービス「F1 TV」のデモ画面

解説として提供されるのは英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の4ヶ国語。残念ながらリリース時点では日本語は含まれていない。利用可能な国はドイツ、フランス、アメリカ、メキシコ、ベルギー、オーストリア、ハンガリー、そしてラテンアメリカの大部分。近いうちに20カ国以上で提供されるとのことだが、現時点で日本が対象となっているかは不明。

視聴可能なデバイスは、リリース当初はデスクトップPCに限定されるが、その後AmazonやApple、Androidが提供するモバイルアプリとTVアプリで段階的に導入される。以上の全ての機能を備えたプレミアム版とも言うべき「F1 TV Pro」の料金は、月額8〜12ドル(日本円にして900円から1300円程度)。年間一括払の場合、70~120ドル(日本円にして7500円から1万300円程度)と2ヶ月分程度お得になる。

ネット配信サービス「F1 TV」

Proプランより安価な「F1 TV アクセス」プランでは、タイミングデータとラジオ解説がライブ配信される他、レース週末の各セッションのハイライトが提供される。また、F1が蓄積してきた驚くべき量の歴史的アーカイブ映像にもアクセスできるようになる。「F1 TVアクセス」は、「F1 TV プロ」のリリースと同時に、殆どの国と地域で利用可能となるというが、こちらの価格は不明。

フォーミュラ1のデジタル新規ビジネス・ディレクターを務めるフランク・アーサーファーによれば、このサービスは新しいF1ファンのためのものではなく、これまで長年F1を視聴しているマニア向けのものだという。

「F1 TVのリリースは、F1のデジタル・プラットフォームの礎となります。ターゲットとしているのはコアなファンの方々です。我々は常に新しいファンを歓迎していますが、コアなF1ファンに対する製品や経験の提供を忘れてはなりません」

「我々の目標はシンプルです。熱心なファンに対してグランプリの生放送を行い、世界中のあらゆるスポーツのネット配信の中でも最高の体験を提供できるサービスを構築することなのです。我々は長期的に見据えています」

日本で2018年シーズンのF1を視聴する方法は大きく分けて「フジテレビNEXT」と「DAZN(ダゾーン)」の2つ。価格はCSなのか「ひかりTV」なのか等で幾らか異なるが、基本的にはフジは月額1,717円(税込) 、DAZNの方は月額1,890円(税込)となっている。

《2018年版》F1放送を見る3つの方法

詳細については不明な部分も多いため、詳しいことが分かり次第、改めて本サイトでお知らせするつもりだ。