メルセデスF1のブラックリー工場内部の製造加工機械
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

英国系F1チーム「プロジェクト・ピットレーン」結成、医療機器の設計生産支援でタッグ

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F1世界選手権に参戦する7チーム(レッドブル・ホンダ、メルセデス、マクラーレン、レーシングポイント、ルノー、ウィリアムズ、ハース)が、新型コロナウイルスの感染拡大による人的被害を最小限に抑えるべく、VentilatorChallengeUKコンソーシアムの一員として「プロジェクト・ピットレーン(Project Pitlane)」なるグループを結成し、一致団結して活動していく事が明らかとなった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大する国や地域では、重症患者の命をつなぐ人工呼吸器等の医療機器が不足、あるいは今後不足する事が見込まれており、各国は供給量と在庫を増やすための対策に追われている。モータースポーツ大国のイギリスもその例外ではなく、F1に対して協力を呼びかけていた。

F1と国際自動車連盟(FIA)は3月27日(金)に声明を発表し、プロジェクト・ピットレーンの発足および、その役割が既存の医療機器のリバースエンジニアリング及び設計・製造支援と、新たな医療機器のラピッドプロトタイピング及び試作品製造にある事を明らかにし、次のように続けた。

「プロジェクト・ピットレーンはメンバーチームのリソースと能力を最大限に活用して、F1業界のコアスキルであるラピッドプロトタイピングや試作品製造、テストや熟練の腕が必要とされる組み立て作業に重点的に取り組んでいく」

感染が拡大する英国では今後、20,000人分もの人工呼吸器の不足が見込まれており、F1とF1チームは英国政府やロンドン大学病院、イノベートUKといった様々な組織と協力して、コロナウイルス感染者の治療に使用される医療機器の製造、または製造の支援方法の確立に向けて検討を進めてきた。F1側はパット・シモンズ率いる技術チームが本プロジェクトに参加しているものとみられている。