スタート直後のターン1に飛び込むF1マシン、2019年カナダGP決勝レースにて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

一発の速さで勝るのは? 2019年F1前半戦予選結果一覧と平均順位…チームメイト間で大差つくレッドブル・ホンダ

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一発の速さで勝るのはどのチームのマシンなのか? どのドライバーなのか?

F1には、各グランプリの決勝リザルト毎に予め決められた点数を配し、ドライバー及びコンストラクター別の選手権ランキングを決める仕組みがあるものの、ポイント配分が恣意的である事に加えて、レース結果はドライバーの腕やマシン性能だけでなく、他車のアクシデントや戦略など、速さ以外の多くの要素が絡み合って決定する。

むろん、予選リザルトもまた、パワーユニット交換に伴うグリッド降格や、トラフィックやスリップストリームの有無など、不確定要素に左右される側面があるものの、レースと比較すれば一発の速さがより顕著に表れる。しかしながら、予選成績はチャンピオンシップの対象外であるため、まとまったデータを目にする機会は少ない。

そこで、前半戦終了時点(第12戦ハンガリーGP終了時点)でのドライバー別の各グランプリの予選順位を集計。その上で、予選平均順位を計算して並び替えた。

2019年F1前半戦予選平均順位

メルセデスの2台が最も速く、これにレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、フェラーリ勢が続き、基本的にはチャンピオンシップに似通った並びとなったが、当然それとは異なる傾向も表れている。

決勝でのレースペースに苦しむハースは、予選ではマクラーレン勢やルノー勢と好勝負を展開。コンストラクターでは9位と低迷しているものの、一発の速さではミッドフィールド上位を争う力があることを示した。

他方、コンストラクター選手権で6位ルノーを上回るトロロッソ・ホンダ(5位)は、予選でのパフォーマンスは芳しくなく、下位に沈んでいる。

Pos Driver Team Avg AUS BAH CHI AZE SPA MON CAN FRE AUS BRI GER HUN
1 L.ハミルトン Mercedes 1.83 1 3 2 2 2 1 2 1 2 2 1 3
2 V.ボッタス Mercedes 2.42 2 4 1 1 1 2 6 2 4 1 3 2
3 M.フェルスタッペン Red Bull 4.17 4 5 5 4 4 3 11 4 3 4 2 1
4 C.ルクレール Ferrari 5.42 5 1 4 10 5 16 3 3 1 3 10 4
5 S.ベッテル Ferrari 5.58 3 2 3 3 3 4 1 7 10 6 20 5
6 P.ガスリー Red Bull 8.33 17 13 6 15 6 5 5 9 9 5 4 6
7 L.ノリス Mclaren 9.42 8 10 15 7 11 12 8 5 6 8 16 7
8 D.リカルド Renault 10.25 12 11 7 12 10 7 4 8 14 7 13 18
9 K.マグヌッセン Haas 10.25 7 6 9 14 8 6 10 15 5 16 12 15
10 C.サインツ Mclaren 10.83 18 7 14 11 13 9 9 6 15 13 7 8
11 K.ライコネン Alfa Romeo 10.92 9 9 13 9 14 14 17 12 7 12 5 10
12 R.グロージャン Haas 11.08 6 8 10 17 7 13 15 17 11 14 6 9
13 N.ヒュルケンベルグ Renault 11.92 11 17 8 18 16 11 7 13 12 10 9 11
14 D.クビアト Toro Rosso 12.83 15 15 11 6 9 8 12 16 18 17 14 13
15 A.アルボン Toro Rosso 13.00 13 12 20 13 12 10 14 11 13 9 17 12
16 A.ジョビナッツィ Alfa Romeo 13.08 14 16 19 8 18 15 13 10 8 11 11 14
17 S.ペレス Racing Point 13.25 10 14 12 5 15 17 16 14 16 15 8 17
18 L.ストロール Racing Point 17.17 16 18 16 16 17 18 18 18 17 18 15 19
19 G.ラッセル Williams 18.50 19 19 17 19 19 19 19 19 19 19 18 16
20 R.クビサ Williams 19.75 20 20 18 20 20 20 20 20 20 20 19 20

ガスリーとライコネンに予選失格裁定が下った第4戦アゼルバイジャンGPについては、裁定前のリザルトで計上

チームメイト同士の成績が拮抗

チームメイト同士の予選成績が近かったのは以下の4チーム。特に、トロロッソ・ホンダのアレックス・アルボン(平均13位)とダニール・クビアト(平均12.83位)は、全10チームの中で最も拮抗したリザルトを残している。ちなみにアルボンはドライバーランキング15位、対するクビアトは9位と、チャンピオンシップでは大きな差がついている。

  • メルセデス
  • フェラーリ
  • ハース
  • トロロッソ・ホンダ

チームメイト間で差がついた3チーム

対象的に、チームメイト間で大きな差がついたのはレッドブル・ホンダとアルファロメオ、そしてレーシングポイントの3チームだ。

アルファロメオ勢は、キミ・ライコネンが平均10.92位に対してアントニオ・ジョビナッツィが13.08位。その差は2.16位だった。レーシングポイント勢は、セルジオ・ペレスが13.25位に対してランス・ストロールは17.17位で、その差は3.92位。そしてレッドブル・ホンダに至っては、マックス・フェルスタッペンが4.17位、ピエール・ガスリーが8.33位と、4.16位もの差がついた。

同じマシンに乗りながらも、チームメイトに対して予選で平均4ポジションもの差をつけられてしまったガスリーは、夏休み明けの第13戦ベルギーGP以降、スクーデリア・トロロッソへの降格が決定している。