F1マイアミGP:決勝は退屈になる?多くのドライバーが警告する一方で忍び寄る…

バルテリ・ボッタス(アルファタウリ)の走行を見守るスタンド席のファン、2022年5月6日F1マイアミGPCourtesy Of Alfa Romeo Racing

初開催のマイアミ・インターナショナル・オートドロームでの初日セッションを終えたドライバー達は口々に、路面のグリップが偏っているためにレースが退屈なものになる可能性があるとの見解を示した。

初のF1マイアミGPに先立っては、舗装したての路面のグリップを引き上げるために高圧ジェット洗浄が施されたものの、バルテリ・ボッタスとカルロス・サインツが相次いでクラッシュを喫するなど、FP1とFP2では足元をすくわれるマシンが多く見られた。

レッドブルのセルジオ・ペレスは次のように述べ、走行ライン外の路面のグリップ不足を指摘し、コース上で直接バトルを繰り広げるのは困難だろうとの見方を示した。

「レーシングラインであってもグリップがあまりなく、凄く重く感じられるから、そのせいでレースが難しくなりそうなのが残念だ」

初日を2番手で締め括ったシャルル・ルクレール(フェラーリ)もまた「アスファルトがスパイスになるはずだ。レーシングラインのグリップは凄く高けど、その反面、外れた所のグリップは著しく低いからオーバーテイクは難しいだろうね」と指摘した。

「後は、タイヤに対してかなりアグレッシブだから、レースを通して上手くマネジメントすることが重要になると思う」

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

スクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール、2022年5月6日F1マイアミGP

更にミック・シューマッハは「ランオフが汚れているみたいだから、一度外れたら間違いなく罰を受ける事になるだろうね」と強調し、角田裕毅も「予想していたよりも滑りやすく、何台かのマシンがそうでしたが、レーシングラインからタイヤ1本でも外れてしまうと一気にグリップが失われるような状況です」と説明した。

そしてランド・ノリスは「レーシングラインを離れると路面のグリップはかなり低いし、場所によってはかなりバンピーだ。蓋を開ける前は、誰もがスムーズで美しいコースになるだろうと思っていただろうにね」と述べ、次のように続けた。

「オフラインに入ってしまうとそれはもう大変な騒ぎだよ。もう少し何とかして欲しい。何をどうするのかは分からないけど」

「FP2では開始時こそ幾らか良くなっていたけど、マーブル(タイヤのカス)が少し出てきた途端に酷い有様だった。レースをするには向かないだろうね」

Courtesy Of McLaren

MCL36のコックピットの中で笑顔を見せるマクラーレンのランド・ノリス、2022年5月6日F1マイアミGP

またピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「コースオフして研磨されたランオフエリアに入るとタイヤにダメージを負う事になる」と指摘して、右フロントタイヤのマネジメントが決定的に重要だと付け加えた。

オーバーテイクが困難であることに加えてタイヤをマネジメントしなければならないとすれば、確かにレース展開は単調なものとなるかもしれない。だが、別の要素が手に汗握るスパイシーなレースを演出する可能性もある。

イゾラは「今日は本当に暑い1日になったが湿度は高く、特に決勝は大雨になる可能性もある」と指摘した。沿岸部故に天気予報の確度は落ちるが、土曜の昼間には所により雷雨の予報が出ており、日曜も夜に掛けてにわか雨が予想されている。

舗装したてのコースでの雨のレースと言えば、2020年のトルコGPが記憶に新しい。直前に雨が降ったイスタンブール・パーク・サーキットでのレースでは、レコノサンスラップ中からアントニオ・ジョビナッツィとジョージ・ラッセルがクラッシュを喫する大荒れの展開となった。

波乱という点では天候に関わらず、土曜の予選も本来であれば上位グリッドが確実なドライバーがノックアウトを喫するなどの予想外の結末になる可能性がある。

セバスチャン・ベッテルは「殆どがブラインドコーナーだから、トラフィックを上手く交わすのが難しい。これは予選、特にスペースを見つける必要があるQ1で重要な要素になりそうだ」と指摘した。

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