F1、”長丁場の聴取”を経てマグヌッセンの「非スポーツマン的行為」疑惑を不問に…一方でFIAに問題提起
F1マイアミGPのスチュワードは、5月4日(土)に行われたスプリントレースにおけるケビン・マグヌッセン(ハース)の「スポーツマンシップに悖る行為」に係る疑惑を不問とする決定を下した。
マグヌッセンは19周のレースを通して、3度に渡ってコースオフを繰り返しながらもポジションを維持し、後方のルイス・ハミルトン(メルセデス)に対して永続的なアドバンテージを得たとして、3回に分けて計30秒のタイムペナルティを科された挙げ句、度重なるトラックリミット違反によって追加で5秒が科された。
レースを終えたマグヌッセンは、彼の前方を走行していた僚友ニコ・ヒュルケンベルグの7位を確保するために、自身としてもやりたくはなかったが、同時にやらざるを得なかった「愚かな戦術」であると説明し、全てのペナルティは科されて「当然」のものだったと認めた。
スチュワードは、ハミルトンに感銘を与えたマグヌッセンの先の発言を確認した上で、疑惑の行為が「意図的」に行われたのかどうか、そして仮にそうであるならば反スポーツマンシップ的行為を禁ずるFIA国際競技規則第12条2項1号L項の違反に該当するのかどうかを検討した。
マグヌッセンおよびハースのチーム代表者との「長時間に渡るリアリング」を経てスチュワードは、例の行為が「スポーツマンらしからぬと断ずる水準に達するものだったとは思わない」との判断を下した。
スポーツマンらしからぬ行為であると断ずるための基準についてスチュワードは、「疑いなく高く」あらねばならず、また、「スポーツマンらしからぬ行為を働こうとの意図があった事を示す明確な証拠」が必要だと指摘した。
スチュワードによるとマグヌッセンは聴聞会の中で、前走車両との間のギャップを築こうとする行為は「完全にレギュレーションの範囲内」であり、また、レース中にチームメイトをアシストしようとする行為も「珍しいものではない」との見解を示した。
また、今回のレース中の行為に関して、一般的に科されるであろう「標準的なペナルティ」であれば進んで受け入れるとした上で、自身のやった事が「間違っているとか、何らかの形でスポーツマンらしからぬ」ものであったとは考えていないとも主張した。
スチュワードはマグヌッセンに対して、計35秒のペナルティと4点のペナルティポイントを科す以外の措置は取らないと決定する一方、今回のケースのように違反が繰り返されるシナリオを想定し、ペナルティを強化する必要があるかどうかを検討する必要があるとして、この点をFIA及びスチュワーディング・チームに提起する考えを明らかにした。
2024年F1マイアミGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がフェラーリ勢を抑えて開幕6戦連続となるポールポジションを獲得した。
決勝レースは日本時間5月5日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのマイアミ・インターナショナル・オートドロームを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。