インテルラゴスでのF1ブラジルGPは当面安泰、5年契約締結へ…リオの新サーキットでの開催計画は頓挫
伝統のインテルラゴス・サーキットでのF1ブラジルGPが当面安泰の見通しとなった。サンパウロのブルーノ・コヴァス市長は11月12日(木)、ジョアン・ドリア州知事との共同記者会見の中で、グランプリの開催契約が合意に至り、近日中にサインする予定である事を明かした。
現時点でF1側は契約の事実を認めていないが、コヴァス市長によると契約期間は5年で、更に5年の更新が可能だとしている。
ブラジルGPは1990年から毎シーズンに渡ってサンパウロのインテルラゴスで開催されてきたが、契約満了を迎える今年のグランプリは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止された。
バーニー・エクレストン統治時代に結ばれた現行契約には現地プロモーターからF1側へ支払われる開催権料の定めがなく、インテルラゴスは支払いコストなしにグランプリを開催してきた。これに不満を抱えたF1の新たなオーナーであるリバティ・メディアは、インテルラゴスを捨ててリオ・モータースポーツとの間でリオに建設される新たなサーキットでの開催に合意していた。
しかしながら、建設候補地のデオドロ地区は緑と野生動物が溢れる環境保全対象区域であり、サーキット建設のために必要な行政許可を得るに際して問題が発生。6度のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンが建設のための森林伐採に反対の立場を表明するなど物議を呼んでいた。
新たな契約の主体は、過去数年とは異なるプロモーターとなるようで、F1側への開催権料も発生するようだ。2021年のF1ブラジルGPは2021年11月に開催される。
リオ・モータースポーツが建設地を変更してプロジェクトを継続するのか、それとも当初の計画通りの場所でプロジェクトを進めていくのかどうかは明らかになっていないが、伝えられるところによると、ブラジルでのテレビ放映権に関する契約も解除されたようで、建設計画の白紙撤回という可能性もありそうだ。