フェラーリ、最多周回+上位占拠も「誰もが手の内を隠している」とルクレール&サインツ / F1バルセロナテスト《初日》
スクーデリア・フェラーリは2月23日のF1バルセロナテスト初日にシャルル・ルクレールが2番手、カルロス・サインツが3番手と、揃ってタイムシートの上部を陣取った。C3コンパウンド勢としては後続にコンマ4秒差をつけての最上位だった。
午前9時過ぎ、まずはルクレールがF1-75のステアリングを握った。ピレリから供給されたC2、C3、C4コンパウンドを装着して計80周を走り込み、1分20秒165の暫定トップタイムを刻んだ。
午後はサインツが作業を引き継いだ。チーム移籍2年目を迎えるスペイン人ドライバーは73周を走破。ルクレールからコンマ25秒遅れの1分20秒416をマークした。
フェラーリはこの日まず、ロングランを通してクルマの機能チェックを行う事に時間を費やし、その後設計段階で行われたシミュレーション結果と、実際のコース上でのマシンの挙動の相関付けを行った。
チームがこの日重ねた計153周(711km)は全チーム最多のマイレージとなり、加えてラップタイム的にも印象的なスピードを発揮したが、テスト序盤のタイムシートに殆ど意味はないとルクレールは慎重だ。
「テスト初日が終わった。毎回、シーズンの始まりは本当にエキサイティングだ。新しいマシンで本格的にプッシュするのは今日が初めてだったから、ステアリングを握るのが本当に気持ち良かった」とルクレール。
「望んでいた項目は全てやり終えたし、全てのプログラムをスムーズにこなす事ができた。今年のマシンが新車だという事を踏まえるとこれは良いことだね。明日またコースを走るのが楽しみだ」
「最初の感触は悪くないけど、タイムシートに一喜一憂すべきじゃない。まだ日が浅く、誰もが手の内を隠しているわけだからね。まだはっきりとした事は何も言えないから、自分たちの事に集中して懸命に作業を続けるしかない」
「今日は他のどのチームよりも多くの周回数を走った。僕らにとって前向きな材料だ。これをベースに積み上げていきたい」
サインツもまた「現段階でのタイムシートは重要じゃない」と強調した。
「きとんとした走行計画に則って走ったのは今日が初めてだ。前のはシェイクダウンだったからね。少しずつではあるけど、ようやくプッシュできるようになり、クルマを理解するプロセスをスタートさせる事ができた」とサインツ。
「今の段階でタイムシートは重要じゃないけど、十分に周回数をこなして実車の感触が得られたことは凄く良かったと思う。まだまだやるべき事は山積みだけど、すでに昨年型との違いを感じることができた」
「慣れるという意味で言えば、そんなに時間はかからないと思う。確かに最終的にコンマ数秒を削っていくような状況ともなれば簡単にはいかないだろうけど、それが面白いところでしょ! 」
「でもまぁ、バルセロナでの目的はそれじゃないし、開幕戦までにはまだ時間がある。いい感じに初日を終える事ができたから明日が楽しみだよ」
スクーデリアは2日目も同じ様に午前と午後で作業を分担する。サインツは午前を、ルクレールは午後に作業を引き継ぐ。