FW46をドライブするカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年2月26日(水) F1プレシーズンテスト1日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Williams

2025年F1バーレーンテスト《2日目》総合結果:サインツ、古巣フェラーリ勢を抑え最速…レーシングブルズは安定走行

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カルロス・サインツ(ウィリアムズ)が1分29秒348のベストタイムを記録し、2025年F1プレシーズンテスト2日目のトップに立った。古巣フェラーリのルイス・ハミルトンを0.031秒、シャルル・ルクレールを0.083秒を上回った。

エンジンモードや搭載燃料量など、チームによりプログラムが異なるため、テストのタイムシートがそのままシーズンの競争力を反映するわけではないが、ウィリアムズが順調に開発を進めていることは間違いなさそうだ。サインツは127周を走破し、安定性も発揮した。期待が高まる。

Pos Driver Team Time Gap Laps Tyre
1 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:29.348 0.000 127 C3
2 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:29.379 0.031 45 C3
3 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:29.431 0.083 83 C3
4 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:29.778 0.430 71 C3
5 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:29.784 0.436 87 C3
6 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:30.229 0.881 57 C3
7 リアム・ローソン レッドブル・ホンダRBPT 1:30.252 0.904 91 C3
8 ジャック・ドゥーハン アルピーヌ・ルノー 1:30.368 1.020 80 C3
9 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:30.430 1.082 40 C3
10 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:30.675 1.327 94 C4
11 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:30.700 1.352 45 C3
12 角田裕毅 レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:30.793 1.445 46 C3
13 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:30.821 1.473 44 C3
14 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:30.882 1.534 77 C3
15 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:31.057 1.709 80 C3
16 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:31.457 2.109 56 C3
17 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:33.071 3.723 69 C3
18 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:34.372 5.024 66 C3

変わりやすい天候が影響、スピンも相次ぐ

この日のバーレーン・インターナショナル・サーキットは朝から厚い雲に覆われ、セッション開始から90分後には雨脚が強まり、各チームは走行プログラムの変更を余儀なくされた。午後には路面が乾いたものの、再び雲行きが怪しくなり、複数のドライバーがスピンする場面も見られた。

ルクレールも軽いスピンを喫したが、マシンにダメージはなくすぐに走行を再開。サインツも新品のミディアムタイヤでスピンを喫したが、大きな影響はなかった。

レーシングブルズ、精力周回

各チームは午後のセッションで失われた走行時間を穴埋めしたが、それでも初日の総マイレージには及ばなかった。最多周回はメルセデスの158周で、140周を記録したレーシング・ブルズがこれに続いた。

午前にVCARB 02をドライブした角田裕毅は、大型のエアロレイクを装着して走行を開始し、最終的に46周を走破。トップから1.414秒遅れの6番手で午前のセッションを、総合12番手で2日目を終えた。

午後はアイザック・ハジャーがステアリングを引き継ぎ、94周を走破。チームメイトよりも一段階柔らかいC4コンパウンドを使用し、角田を0.118秒上回る10番手タイムを記録した。初日はスピンを喫するなど苦戦したハジャーだが、2日目はよりクリーンなセッションを過ごした。

マクラーレン、ロングランで強さを発揮

午後の後半は、各チームがロングランのデータ収集に集中。初日にトップタイムを記録したランド・ノリス(マクラーレン)は14番手でセッションを終えたが、そのロングランペースは圧倒的だった。

C2(2番目に硬いコンパウンド)を使用しながらも、1分32秒台中盤から後半のタイムを安定的に記録。同条件のフェラーリ勢よりも1周あたり約1秒速いペースを示し、マクラーレンMCL39がショートラン、ロングランの双方で速さを発揮できることを示唆した。

レッドブル、トラブルで走行ロス

レッドブルはリアム・ローソンが終日、RB21でのドライブを担当した。水圧の低下により午前中は28周しか走行できず、午後はリヤウイングの調整やマシンの点検に時間を要したこともあってガレージで長い時間を過ごし、7番手でクルマを降りた。

レッドブルは唯一、3桁に到達できず、91周の走行にとどまった。

ローソンとサインツにとっては、この日のテストがシーズン開幕前最後のF1マシンでの走行機会となった。

メルセデス、ラッセルとアントネッリが安定走行

メルセデス勢はジョージ・ラッセルが4番手、アンドレア・キミ・アントネッリが5番手を記録。特にルーキーのアントネッリは堅実な走行を続けており、今後の成長に期待が集まる。

6番手にはランス・ストロール(アストンマーチン)が続いた。

ハース、ロングラン重視の戦略を継続

ハースは初日に160周を記録するなど、ロングラン重視のテストプログラムを採用。エステバン・オコンはこの日、午前のセッションで69周を走破し、午後はオリバー・ベアマンがステアリングを引き継いで66周を記録。燃料を多く積んだレースシミュレーション走行に集中した。

アルピーヌ、着実にプログラムを消化

アルピーヌも着々とテストを消化した。ジャック・ドゥーハンは安定した走行を続け、午前を担当したピエール・ガスリーより100分の6秒速い8番手タイムを記録。トップとの差も1秒以内に収めた。

今季初の接触事故が発生

午前のセッションでは、今シーズン初の接触事故が発生。先行するニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は後方のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を前に行かせようとラインを外したが、ピアストリがブレーキングで止まりきれず、ヒュルケンベルグの右リアに軽く接触した。

幸いにも両マシンに大きなダメージはなく、セッションへの影響も最小限に留まった。

テスト最終日には、各チームが最後のセットアップ調整を行い、開幕戦に向けた最終準備に取り組むことになる。レッドブルは終日、マックス・フェルスタッペンがRB21をドライブし、ウィリアムズはアレックス・アルボンがステアリングを握る。

果たして、3日目の終わりに最速タイムを記録するのはどのチームか?