F1とFIA国際自連、”忌まわしき”不適切行為のマゼピンに対するハースの対応を支持

ハースF1チームのウェアを着たニキータ・マゼピンの後ろ姿copyright Haas

F1と国際自動車連盟(FIA)は第17戦最終アブダビGPの開幕を翌日に控えた12月10日(木)、ニキータ・マゼピンの”忌まわしい”動画を巡るハースF1チームの対応を支持する共同声明を発表した。

この問題はハースでの来季F1デビューが決まっているマゼピンが8日(火)に、自身のインスタグラムに如何わしい動画を投稿したもので、映像にはポルシェの助手席に座って移動中のマゼピンが、左後席に座っていた女性の胸を触ろうとする様子が映っており「彼女は最高だ」とのコメントが添えられていた。なお女性は中指を立て、その腕を払いのけようとしていた。

映像に映っていたと思しき女性は後に、SNS上で悪ふざけだったと釈明しているものの、セクハラ被害者が”ノー”と言い難い事は広く知られる事であり、これを以て真実とは断定できず、それがセクハラであったのか性的暴行であったのかは現時点では定かでないものの、マゼピンの周辺は彼の行為そのものを非常に深刻に受け止めている。

これに対してハースは翌9日(水)、マゼピンの行為は「容認できるものではない」「忌まわしき事態」である等としてマゼピンの行動を強く非難し、問題は現在チーム内部で処理されていると発表した。

これと合わせてマゼピンは「道徳的に問題のある行為」であったと認め、公式に謝罪した。

こうした状況を受けF1とFIAは共同声明の中で「我々は、ニキータ・マゼピンの不適切な行為に対するハースF1チームの対応を強く支持する」「このスポーツにおける倫理原則と多様性、そして包括的なカルチャーは、FIAとF1にとって最も重要なものである」と述べ、マゼピンを非難した。

ただしその一方で「マゼピンは自身の不健全な行為について公式に謝罪した。この問題は引き続きハースF1チーム内部で処理される」とも述べ、現時点では本件に直接介入する意志がない事を明らかにした。現時点ではまだ、F1参戦に際して必要となるスーパーライセンスは発給されていないものと考えられるため、FIAが発給を拒否すればマゼピンは来季シートを得る事ができなくなる。

ハースは12月1日(火)、今季FIA-F2選手権に参戦していたマゼピンと複数年契約を締結し、2021年シーズンのF1世界選手権でレギュラードライバーとして起用する事を正式発表しているが、本件以外にもF3時代にカラム・アイロットに暴力を振るうなど、その人格を倫理・道徳面で非難する声が絶えない。

最近では、サクヒールのレース1での角田裕毅(カーリン)とフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)に対する「一線を越えた」ブロッキングが審議の対象となり、計10秒のペナルティを科された挙げ句に罰則ポイントを科され、次戦出場停止まで後1点に迫った

ソーシャルメディア上では「#WeSayNoToMazepin」「#MazepinOut」といったハッシュタグで、マゼピンの排斥を訴える声が高まっている。

F1アブダビGP特集

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