F1参戦を狙う新たな米国資本プロジェクトの存在が判明、サフナウアーが第二のシュタイナーに?
F1参戦を狙うアンドレッティ・グローバル。これに続く第二の米国資本チームが誕生するかもしれない。アルピーヌF1のかつてのチーム代表、オトマー・サフナウアーは、F1への参入を目指す新たなプロジェクトに関与していると明かした。
2023年のベルギーGPの週末に突如、チーム代表の座を解任されたサフナウアーは、ジェームズ・アレンのF1ポッドキャストで自らの今後の計画について語り、北米の組織と協力していると説明した。
「私は11番目のチームを立ち上げられるだけの資金を持つ北米の幾つかの組織と仕事に取り組んでいる。それはアンドレッティではない」とサフナウアーは語る。
「我々は現在、チームを立ち上げ、エントリーするために必要なあらゆる要素を確保するための基盤を整えているところだ」
BAR、ホンダ、フォース・インディア、そしてアルピーヌと、長年に渡ってF1で幹部職を務めてきたサフナウアーは「チームの競争力に影響を与える」ような大きな権限を持つF1での新たな仕事を探しているとしつつも、「F1には10チームしか存在せず、その多くは既にそういった役割を担う人材で埋まっている」と語った。
「だから、どれくらいのチャンスがあるかは分からないが、11番目と12番目のチームが誕生する可能性もあるわけで、そうなれば私にとって興味深い検討対象になるかもしれない」
このストーリーはギュンター・シュタイナーとハースの成功を思い出させる。
レッドブルF1のテクニカル・ディレクターを経て、米国NASCARでのレッドブルの新チーム立ち上げに関わったシュタイナーは、2008年にチームを去るとそのまま米国に留まり、NASCARのスチュワート・ハース・レーシングの創設者であるジーン・ハースと接触。F1参入を提案した。
新チーム設立のため、シュタイナーは中核を担う人材をリクルートし、チーム成功の秘訣を探るため、全てのF1チーム代表にインタビューを実施。そして、ダラーラやフェラーリとの関係性を深めていき、2014年4月14日、ハースF1チームのチーム代表に就任した。
アンドレッティのF1プロジェクトは昨年、国際自動車連盟(FIA)の承認を得たものの、F1の商業権を保有するリバティ・メディアにより却下された。だが、プロジェクトを率いるマイケル・アンドレッティは投資の手を緩めていない。
今年4月にイギリスのシルバーストンに新たなファクトリーを立ち上げ、翌月にはF1の最高技術責任者(CTO)を務めたベテラン・エンジニアのパット・シモンズを迎え入れるなど、経験豊富な人材を積極的に採用。決定を再考するようフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)と交渉を続けている。