オーストリアのテレビ局 Servus TVの番組に出演するエディ・ジョーダン
Courtesy Of Red Bull Content Pool

元F1チーム所有者のエディ・ジョーダン、破綻のロンドン・アイリッシュを救済―再建へ

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元F1チームオーナーで実業家のエディ・ジョーダンが率いるジョーダン・アソシエイツが、経営破綻していた英国のラグビーチーム、ロンドン・アイリッシュを買収したことが明らかになった。

ロンドン・アイリッシュは、2023年6月に財政難によりプレミアシップ(イングランド・ラグビーのトップリーグ)から除外され、その後、約3,000万ポンド(約57億円)の負債を抱えたまま破産手続きを開始していた。今回の買収により、クラブの再建が本格的に動き出すことになる。

買収を主導したジョーダン(76歳)は、元F1チーム「ジョーダン・グランプリ」の創設者として知られる。チームは1991年から2005年までF1に参戦し、優勝4回を含む19回の表彰台を獲得した。

ミッドランドグループへのチーム売却後はテレビ解説者としても活躍し、2009年から2015年までBBCのF1放送で主要パネリストを務めた。しかし、2024年12月に「膀胱・前立腺がんを発症し、脊椎や骨盤に転移している」と公表。現在も闘病を続けている。

表彰台でエディ・ジョーダンと並ぶ2位のダニエル・リカルド(レッドブル・レーシング)、2017年9月17日(日) F1シンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台でエディ・ジョーダンと並ぶ2位のダニエル・リカルド(レッドブル・レーシング)、2017年9月17日(日) F1シンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)

新オーナーグループであるジョーダン・アソシエイツは、クラブのプロラグビー復帰を最優先課題として掲げている。さらに持続可能なクラブ経営を目指し、ファンが投資できる「革新的なファンオーナーシップモデル」の導入を検討している。

ジョーダン・アソシエイツは声明の中で、「新オーナーの最優先目標は、ロンドン・アイリッシュを国際的なプロクラブラグビーの頂点に戻すことだ。迅速なトップリーグ復帰を目指している」と述べた。

ジョーダン・アソシエイツのシニアパートナーであり、エディ・ジョーダンの次男であるカイル・ジョーダンは、クラブのブランド強化に向けて次のようにコメントした。

「我々の投資家は単に資金を提供するだけでなく、ラグビーへの深い情熱と地域社会への貢献意欲を持っている。特に、世界中のアイルランド系移民コミュニティと連携し、クラブのエグザイル・ブランドを強化したい」

ロンドン・アイリッシュは1898年創設の伝統あるクラブで、長年にわたりイングランドラグビーの主要チームの一つとしてプレーしてきた。しかし、財政難により2023年6月にプレミアシップから追放され、現在はいかなるリーグにも参加していない。