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セバスチャン・ベッテルがシンガポールと日本でのアジアラウンド2戦でリタイヤした事で、2017年シーズンのF1タイトル争いは一気にルイス・ハミルトンへと傾いた。現地10月20日(金)から始まる第17戦アメリカGPでは、最終戦を待たずしてタイトルが決する可能性がある。
米国GPでのハミルトン王者獲得条件
現在タイトルの可能性があるドライバーは、ハミルトン、ベッテルそしてバルテリ・ボッタスの3人のみ。ランキング4位ダニエル・リカルド以下のドライバーには望みはない。ハミルトンが優勝、かつベッテルが6位以下に沈めば、その時点で勝敗が決する。ハミルトンとしては、2位表彰台以上の成績を収めることが必要となる。
- HAM優勝
- ベッテル6位以下
- HAM2位
- ベッテル9位以下
ボッタス2位以下 - HAM3位以下
- 次戦メキシコ以降に持ち越し
第2戦中国を皮切りにハミルトンは16戦中8勝を挙げており、その勝率は驚異の50%に達している。一方、ベッテルが今季6位以下となったのは、2回のリタイヤを除けばシルバーストンでの英国GPのみ。ベッテルが6位以下となる確率は19%である。ハミルトンがオースティンを優勝で飾り選手権を制する確率は10%、決して高くはない。
ハミルトンが狙うは4度目のF1ワールドチャンピオン。ベッテルやアラン・プロストに並ぶ偉大な記録であり、イギリス人としては初の快挙となる。第16戦日本グランプリを終えた時点でのランキング上位5名は以下の通り。
Pos | Driver | Nationality | Team | Pts |
---|---|---|---|---|
1 | ハミルトン | イギリス | メルセデス | 306 |
2 | ベッテル | ドイツ | フェラーリ | 247 |
3 | ボッタス | フィンランド | メルセデス | 234 |
4 | リカルド | オーストラリア | レッドブル | 192 |
5 | ライコネン | フィンランド | フェラーリ | 148 |
メルセデスのタイトル獲得条件
ドライバーチャンピオンシップがアメリカで決する可能性は高くないが、コンストラクターズに関してはそうではない。絶対王者メルセデスAMGは540ポイントを獲得、2位につけるスクーデリア・フェラーリは395ポイント。両者の差は145ポイントと極めて大きい。
1つのグランプリでチームが得られるポイントは最大で43、3戦で獲得可能な総ポイント数は理論上129であるため、日曜の決勝を終えた時点でメルセデスがフェラーリに129ポイント差以上をつければ、4年連続のコンストラクタータイトルが確定する。
フェラーリとしては、メルセデス勢を14ポイント上回る成績を残す事が必要となる。3位表彰台獲得で得られるポイントが15であることを考えると、フェラーリが逆転できる可能性は少ない。ハミルトンかボッタスのいずれかにマシン故障などのトラブルが発生しない限り、4連覇を阻止することは難しいだろう。