マクラーレンF1、引退のアロンソに代えてカルロス・サインツJr.の起用を正式発表
マクラーレン・レーシングは2018年8月16日、カルロス・サインツJr.とのF1レギュラードライバー契約締結を正式発表した。今季限りでルノーとのレンタル契約が終了するサインツは、2019年シーズンのF1をマクラーレンから戦う事になる。契約は複数年。
スペイン・マドリードで生を受けたカルロス・サインツは今年23歳。今季限りでの現役引退を表明した同郷の雄フェルナンド・アロンソの後任として、来季より英国ウォーキングのチームに加入する。昨年のシーズン途中でルノーにレンタル移籍したサインツは、今年前半戦を終えて30ポイントを獲得し、ドライバーチャンピオンシップ11位につけている。
レーシングカートでキャリアをスタートさせたサインツは、フォーミュラ・ルノー2.0 NEC、フォーミュラ・ルノー3.5でシリーズ王者を獲得。2015年にスクーデリア・トロロッソからF1デビューを果たした。
先日レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドがルノーへの移籍を発表した事でサインツのシート喪失が確定。来季の所属チームに注目が集まっていた。
発表に際してサインツは「アロンソの後任としてマクラーレンに加入できる事は特別な栄誉」だと語り、来年から始める次の挑戦に向けての意気込みを示した。また、マクラーレンCEOのザク・ブラウンは「サインツはアロンソの後任に相応しい」と述べ、次世代F1ドライバー達の中で卓越した存在だと評価している事を明かした
昨シーズンを以てホンダとのエンジンパートナー契約を終了させたマクラーレンは、成績不振からの脱却を目指し今年ルノー製パワーユニットを搭載。F1ワールドチャンピオンと2年目の新人ドライバーをラインナップとしてシーズンを争っているものの、約束された優勝はおろか、表彰台にすら上がれない厳しいシーズンを過ごしている。
アロンソのチームメイトを務めているストフェル・バンドーンの契約も今季限り。チームは近いうちに来季以降のラインナップを発表するとしている。
カルロス・サインツ
マクラーレンのドライバーとなる事を発表できて本当に嬉しい。僕はこのような機会が得られる事を長年追い求めてきた。これから始まる次の挑戦に胸が高まる思いだ。
昔からマクラーレンのファンだった。このチームは、長い歴史を持つこのスポーツにおける偉大な名前だし、過去の歴史の中でマクラーレンでレースをしてきたドライバー達は、F1の英雄に数えられるような人達ばかりだ。
もちろん、フェルナンドもそのヒーローの一人さ。それだけに、次世代のスペイン人レーシングドライバーの一人として彼の後任を務める事が出来るのは、本当に本当に特別なことだ。
最後に、子供の頃の夢を叶える機会を与えてくれたマクラーレンの人たちに感謝したいと思う。チームは、将来に向けて長期的な計画を立てている。輝かしい成功への復帰に向けた旅路の中で、チームに貢献できる事を心から楽しみにしている。
ザク・ブラウンマクラーレンCEO
「カルロスをマクラーレンのドライバーとして起用できる事を本当に喜んでいる。彼を評価してきた結果、カルロスは次世代の才能ある若きF1ドライバー達の中で卓越した存在だとの結論に至った」
「23歳のカルロスは、若さと経験を持ち合わせた完璧なドライバーだ。5シーズン目のF1を我々やエンジンパートナーのルノーと共に歩むことで、彼は更なるレース経験を積むことになるだろう」
「カルロスがフェルナンドの大ファンである事はよく知られた事だ。モータースポーツ界における伝説的なスペイン人ドライバーの後任としての起用である事を思えば、カルロスのマクラーレン入はこれ以上ない相応しいものだと言える」
「彼がマクラーレンに馴染んでくれるのは間違いないと考えている。彼と共に来シーズン以降のF1に挑める事に、我々はみんな心からエキサイトしている」