決勝レースを3位で終えたルイス・ハミルトン(メルセデス)、2022年6月19日F1カナダGP
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ハミルトンが開幕以来の表彰台、力不足認めるも「レッドブルとフェラーリに更に近づいた」と勢いづくメルセデス

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メルセデスAMGペトロナスF1チームは6月19日(日)に行われたF1第9戦カナダGPの決勝でルイス・ハミルトンが3位、ジョージ・ラッセルが4位と、開幕及び第3戦と並ぶ今季最高のリザルトを残した。

9周目に発生したバーチャル・セーフティーカー(VSC)がチャンスを呼び込んだ。ハミルトンは前を行くフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)とは対照的にタイヤを交換。大きなゲインを得た。

シャンパンで乾杯するルイス・ハミルトン(メルセデス)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年6月19日F1カナダGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

シャンパンで乾杯するルイス・ハミルトン(メルセデス)、カルロス・サインツ(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年6月19日F1カナダGP

雨の予選でスリックを履くギャンブルで失敗したラッセルは8番手からスタート。後方から迫るシャルル・ルクレール(フェラーリ)に目を配りながら5位でチェッカーを受け、トップ5フィニッシュ記録を9に伸ばした。

開幕バーレーンGP以来の表彰台に上がったハミルトンは「正直言って、ホント打ちのめされた感じだよ。まさか3位になるなんて」と喜びをあらわにした。

「今年はチームとしてクルマとの戦いが続いてるけど、僕らは気を抜かずに集中し、決して諦めたりはしなかった」

2位カルロス・サインツ(フェラーリ)は勿論、優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の背中に手が届くほどの速さはなかったが、ハミルトンはこれまでの努力が報われつつあると感じている。

「上位勢に対してはまだ少し遅れを取っているけど、少しずつ近づいてきている。とにかくプッシュし続けて、彼らと張り合える状況に持っていきたい」

エンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、あらゆる条件下でレッドブルやフェラーリに対して「コンマ2秒か3秒」を失っており「マックスやカルロスのようなペースはなかった」としながらも「基礎的なペースがバクーよりも向上していたようで励みになった」と付け加えた。

過去8戦では失望やクルマの問題点など、レース後のドライバー及び首脳陣の発言はネガティブなものばかりであったが、今回は課題点を見つめつつも前向きなエネルギーが感じられる。

バクー市街地コースでレースをするジョージ・ラッセル(メルセデス)、2022年6月19日F1カナダGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

バクー市街地コースでレースをするジョージ・ラッセル(メルセデス)、2022年6月19日F1カナダGP

ラッセルが4位フィニッシュするためにはフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンのアルピーヌ勢、そしてケビン・マグヌッセンとミック・シューマッハのハース勢を追い抜く必要があったが、懸念は全くなかったようだ。

ラッセルは「オーバーテイクする自信は十分にあった」とした上で次のように続け、最後のセーフティーカー後に後続のシャルル・ルクレール(フェラーリ)を抑え込んだ事で自信を深めた様子をうかがわせた。

「僕らとしてはルクレールやチェコ(セルジオ・ペレス)に抜かれる事だけ、ちょっと心配だったんだけど、彼らが迫ってこないからかなり驚いたよ。特に終盤にセーフティーカーが導入されただけにね」

ラッセルもハミルトン同様に、ターゲットに据えるフェラーリ及びレッドブルに対してレースペースで更に近づいたと考えている。

ラッセルは「望んでいるパフォーマンスには依然として達していない」としながらも「最終的には、僕らのレースペースはこれまで以上にフェラーリやレッドブルに近かった」と語った。

上位2チームが信頼性のトラブルやドライバーエラーによって少なくないポイントを失っている一方、メルセデス、特にラッセルは与えられた条件の中で一貫して最高のリザルトを持ち帰っている。

メルセデスのトト・ウォルフ代表兼CEOは「例え前の連中に挑めるだけのペースがないとしても、この2週間の戦いには、総力を結集して堅実にポイントを獲ろうとするチームスピリットが表れていた」と総括した。

ジル・ビルヌーブ・サーキットは仮設のアブノーマルなコースだ。真価は次のシルバーストン・サーキットで試される事になる。

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