ホンダF1、新型PUがパワーダウン「予防措置として予選前にエンジンを交換した」
週末を通してノートラブルの信頼性を発揮していたホンダの新スペックエンジンであったが、公式予選を前に突如問題が発生。土曜午前の3回目のフリー走行終盤に、ピエール・ガスリーのマシンがパワーダウンに見舞われた。
チームは急遽、第2戦バーレーンGP以降に使用していた古い旧式エンジンへの載せ替えを決定。メカニックの懸命の作業の甲斐もあり、ガスリーは無事に予選に出場した。
だが、舞台はロングストレートを有するジル・ビルヌーブ・サーキット。最高速が重要となるこのコースにおいては、馬力に劣る古い仕様ではライバルに太刀打ち出来ず、ガスリーは無念のQ3敗退を喫した。
「今朝のセッション終盤にピエールのエンジンがパワーダウンしてしまったため、予防措置としてエンジン交換を行う事にしました」とホンダF1の現場統括責任者である田辺豊治テクニカル・ディレクター。
「ホンダとトロロッソのメカニック達の仕事ぶりは見事でした。迅速な作業によってQ1開始までに交換を終えてくれましたが、状況を考えれば、ピエールがQ1ノックアウトとなってしまった事はやむを得ません」
「旧型のエンジンへのロールバックですので、今回の交換によってペナルティを受ける事はありません。これから問題の原因の特定と詳細な調査を行う予定です」
ガスリーが不運に見舞われた一方、ブレンドン・ハートレーは8番手でQ2進出を果たし、最終的に12番グリッドを獲得。10番手タイムでQ3進出組に残ったセルジオ・ペレス(Force India)との差は0.24秒であった。
「ブレンドンの方は僅かの差でQ3進出を逃してしまいましたが、12番グリッドから力強いレースが出来る事を楽しみにしています」
カナダGP初日、ガスリーとハートレーは新しく投入された最新仕様のRA618Hを「より速くより良くなっている」と評価。チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズも「ドライバビリティに優れている」と太鼓判を押していただけに、本番直前でのトラブル発生が悔やまれる。