ブリヂストン、2025年F1復帰に「強い関心」との噂…独占タイヤサプライヤー契約巡りピレリと対決か

コスタリカにあるブリヂストンのサンホセ工場Courtesy Of Bridgestone Americas, Inc.

2025年以降の独占F1タイヤサプライヤーの入札がオープンとなる中、独「Auto Motor und Sport」は、高まるF1人気を背景にブリヂストンが4輪最高峰への復帰に「強い関心」を持っているとの噂があると報じた。

1976年の初参戦から数えて175勝、168ポールポジションを誇るブリヂストンは、契約満了と共に2010年末のアブダビGPを以てF1から撤退した。その後を引き継いだのが現行サプライヤーのピレリだが、その契約は2024年末までとなっている。

そこで国際自動車連盟(FIA)は今月20日(月)、2025年からの3シーズンに渡る独占タイヤ供給契約に関する入札を開始した。ただ、F1だけでなく直下のFIA-F2選手権とF3選手権への独占供給も含まれており、特に何も問題がなければ、FIAの「絶対的裁量」によって2028年シーズンにまで延長される。

入札期限は2023年5月15日で、基準を満たした「承認入札者」の決定は1ヶ月後の6月16日に行われる。ピレリは供給継続に前向きな姿勢を示しているが、まだ入札は行っていない。

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラはF1オーストラリアGPの初日、継続の意思がある事を表明しつつも、今は入札に関する「膨大」な文書を読み解いている最中だと説明した。文書はA4サイズにして52ページに及ぶ。

イゾラは、これまでにF1活動に投じてきたリソースと資金は「膨大」であり、継続に対する関心を表明するのは「決して簡単な決定ではなかった」とする一方、「このスポーツは非常に健全であり、我々は現在の状況に満足している」と続けた。

「我々はこのスポーツにおいて自分たちの役割を果たすことができて幸せだし、ドライバーやチーム、FIAやF1からの要求に従って、可能であればこのスポーツを良いよいものにしたいと願っている」

「これまでとは異なり分析すべきページが多くなっているが、先ほど申し上げたように我々は概して、継続したいという気持ちを持っている」

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラ、2023年2月23日F1プレシーズンテスト

新規参戦候補メーカーにとって厄介なのは、2025年の1シーズンのためだけに新しくタイヤを設計・製造しなければならない点だろう。ターゲットとすべき作業温度領域など、次世代F1パワーユニットが導入される2026年以降の新たな仕様に関しては2025年6月30日までに決定される。

一方でピレリには、おそらくは2024年型タイヤの調整で済むというだけでなく、現行18インチタイヤに関するノウハウやインフラ、F1やFIAとの強いパイプというアドバンテージがある。

Courtesy Of Ferrari S.p.A.

ブリヂストンタイヤを履くフェラーリF2002とミハエル・シューマッハ、2002年フィオラノテストにて

F1オーストラリアGP特集

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