インテルラゴス・サーキット上空からの様子
Courtesy Of Pirelli

2018 F1ブラジルGP 最高速度とラップタイムのデルタをグラフで比較:レッドブルに必要なのは強力なエンジン

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11月10日土曜に開催された2018 FIA F1世界選手権第20戦ブラジルグランプリ公式予選。ドライバー及びチーム別スピードトラップを集計した上で、ラップタイムデルタとトップスピードとの相関グラフでブラジルGPを振り返る。

一発の速さを競う予選セッションで頂点に立ったのは、メルセデスのルイス・ハミルトン。1分7秒281のコースレコードを樹立して今季10回目のポールポジションを獲得した。

スピードトラップ

インテルラゴス・サーキットのスピードトラップは、ホームストレート終端1コーナー手前90m地点、つまりターン12から15までの登りの緩いカーブをつなぎ合わせた超ロングストレートエンドで計測される。

インテルラゴス・サーキットのコースレイアウト図

まずはチーム別に最高速度を見てみる。フェラーリPU勢とメルセデスPU勢が上位を独占。フェラーリを搭載するハースのみが一歩遅れているのが興味深い。ルノーエンジン勢は相変わらず総じて低い速度に留まっており、ホンダがこれに先行している状況が表れている。

F1ブラジルGP予選チーム別最高速

ドライバー別に詳しく見てみてみよう。最高速を叩き出したのはポールシッターのハミルトン。時速336.5kmを記録しトップに立った。2番手はウィリアムズ。セルゲイ・シロトキンがほぼ同速の336.4km/hをマークし、メルセデス製パワーユニットが1-2を記録した。ただしフィニッシュラインでの数値を見る限り、両者は共に有効なトゥを得ていたものと思われる。

最も遅かったのは、メキシコと同様にルノーエンジンを搭載するマクラーレン。予選18番手のフェルナンド・アロンソが残した時速320.5km/hは、最速ハミルトンとの速度差が16km/hであった。ホンダの最新スペック3パワーユニットを搭載したトロロッソ・ホンダは、ピエール・ガスリー(予選10番手)が時速324.5kmで13番手を記録した。

Pos. Driver Team km/h
1 ルイス・ハミルトン Mercedes 336.5
2 セルゲイ・シロトキン Williams 336.4
3 セバスチャン・ベッテル Ferrari 334
4 シャルル・ルクレール Sauber 333.9
5 エステバン・オコン Force India 332.9
6 バルテリ・ボッタス Mercedes 332.5
7 セルジオ・ペレス Force India 332
8 ランス・ストロール Williams 331.8
9 キミ・ライコネン Ferrari 331.8
10 マーカス・エリクソン Sauber 328.9
11 ロマン・グロージャン Haas 326.3
12 ケビン・マグヌッセン Haas 324.6
13 ピエール・ガスリー Toro Rosso 324.5
14 ダニエル・リカルド Red Bull 323.9
15 ニコ・ヒュルケンベルグ Renault 323.8
16 マックス・フェルスタッペン Red Bull 323.3
17 ストフェル・バンドーン Mclaren 320.5
18 ブレンドン・ハートレー Toro Rosso 320.2
19 カルロス・サインツ Renault 319.8
20 フェルナンド・アロンソ Mclaren 318.3

2018年F1ブラジルGP予選トップスピードとポジション相関図

各ドライバー毎に、最速ハミルトンとのタイムデルタとトップスピードをプロットした。横軸はトップスピード、縦軸はデルタタイム。これを見ても2強が他を圧倒していた事がよく分かる。

メルセデスを積むウィリアムズはトップスピードこそ稼げていたものの、トータルとして速さはなく、レッドブルがポール争いをするために必要なのがエンジンパワーだという事も見て取れる。トップスピードが無くとも上位に肉薄する事は可能だが、トップスピードなくしてポール争いは不可能という状況と言える。

ウィリアムズとマクラーレンを比較するもの面白い。両者はトップスピードで大きな開きがあるものの、タイム的にはほぼ同じで、マシンが両極端な特性を持っている事が伺える。

チームメイトバトルに目を転じてみると、レッドブルとフォース・インディアが最も拮抗しており、トロロッソ・ホンダとルノー、そしてウィリアムズの2台が大きくかけ離れている。トップスピードの差がセットアップの違いによるものなのか、スリップストリームの有無によるものかは不明だが、速度を引き出せている方が予選順位でも先行している。

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