ビアンカ・ブスタマンテ、女性初のマクラーレン育成ドライバーに
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18歳のフィリピン人ドライバー、ビアンカ・ブスタマンテ(Bianca Bustamante)が女性として初めてマクラーレンのドライバー育成プログラムに加わる事が2023年10月18日(水)、発表された。
ブスタマンテは2024年に向けてARTグランプリと契約し、”パパイヤオレンジ”の名で知られるマクラーレンカラーのマシンでF1傘下の女性限定シリーズ、F1アカデミーに参戦する。
2005年1月19日にマニラで生を受けたブスタマンテは5歳の時からレースに参加。アジア各地のカート選手権で幾度となく勝ち取った経験を持つ、モータースポーツ界期待の女性ドライバーだ。
シングルシーターではこれまでにWシリーズ、F4-UAE選手権、イタリアF4、USFジュニア等に参戦。今季はこれらに加えてプレマ・レーシングからF1アカデミーでチャンピオンシップを戦っており、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でのF1第19戦アメリカGPと併催されるシーズン最終戦を前に優勝2回、表彰台2回を獲得している。
契約発表に際してブスタマンテは「マクラーレンとARTグランプリと契約できるなんて信じられません。フィリピンでカートをしていた時には想像する事さえできませんでした。このチームにまつわる歴史と伝統を考えると言葉がありません」と語った。
「本当に感謝しています。マクラーレンには、キャリアの次のステップに進むための最高の体制が整っていると信じています。幾つかのレースで示した通り、2023年はスピードを向上させる事がすべてでしたが、2024年は一貫性を確立してタイトルに挑戦するために必要な精神的な強さを身につける事が目標です」
ブスタマンテについてドライバー育成プログラム・ディレクターを務めるエマニュエル・ピロは「仕事に対する倫理観が素晴らしい将来有望な若い才能」と評価し、チーム代表のアンドレア・ステラは「ジェンダーの多様性を改善するという重要なテーマに関するF1の取り組みに携われる事を嬉しく思う」と語った。
ブスタマンテはピロ率いるドライバー育成プログラムを通して、F1やインディカー、フォーミュラEへのステップアップを目指していく事になる。
なお2021年からマクラーレンF1チームの公式パートナーを務めているシスコは、F1アカデミーでもマクラーレンのオフィシャル・プライマリー・パートナーを務める。この複数年契約の一環としてマシンだけでなく、ブスタマンテが着用するレーシングスーツやチームキットにも同社のロゴが掲げられる。