”生意気”なフェルスタッペンに「頭を使え」とランビアーゼ、一切の譲歩なき無線口論第2弾に笑み
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シュートアウトに続きマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はF1第13戦ベルギーGPの決勝レースで、相棒であるレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと口論を繰り広げ、聞く耳持たぬ素振りを貫いた。
ルイス・ハミルトン(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)を抜き去り2番手に浮上したフェルスタッペンに対してランビアーゼは「頭を使ってくれ」と伝えた。タイヤを酷使したため、当時のフェルスタッペンに首位セルジオ・ペレスを追いかける余裕はなかった。
これに対してフェルスタッペンは、自身とペレスの戦略を教えるよう執拗に迫った。ランビアーゼは少し苛立った様子で「マックス、兎に角、僕の指示に従ってくれ。頼むから」と一方的にやり取りを終わらせた。
1回目のピットストップを終えてフェルスタッペンがペレスを抜き去るのに時間はかからなかった。
再びランビアーゼの無線が熱を帯びたのは、安定的なリードを築いて2回目のピットストップを行い、ソフトタイヤに履き替えた直後の事だった。レースをマネジメントすべき状況でフェルスタッペンはタイヤをプッシュした。
デグラデーションを懸念したランビアーゼが「アウトラップでタイヤを使い過ぎだ」と注意すると、フェルスタッペンはその翌周にファステストラップを記録し、「プッシュし続けてもう1回ピットストップする手もあるけど? ピットストップの練習になるんじゃない?」と冷やかした。
ランビアーゼは一言「それは今じゃない」と返した。ピットストップ記録の世界保持者であるレッドブルのクルーにとって、明らかにそれはレース中にやる必要のない事だった。
蘭「RacingNews365」によるとメルセデスのトト・ウォルフ代表は、フェルスタッペンが「生意気」な無線メッセージを垂れ流しているのには「理由」があるとして、「彼は他のドライバー全員を追い回している。実力でね。それを見守らなければならないのは、うっとうしくもあるが」と述べた。
また英「BBC」によると、フェルスタッペンについてルイス・ハミルトン(メルセデス)は「彼はタバコを吸いながらパンケーキを食べているんだよ」と語った。
この日のフェルスタッペンは6番手からのスタートにも関わらず、2位以下に22.305秒もの大差をつける快勝を飾った。
レース後、タイヤを使い過ぎて叱られた一件について問われたフェルスタッペンは「ちゃんとスローダウンしたよ」と答え、無線のやり取りはふざけていたのか、それとも真剣なものだったのかと問われると「半々だと思う」と微笑んだ。
「チームがもう一度ピットストップしたくない事は分かってるけど、言ってみたくなってね。みんな少しナーバスになったかもね。『いやいや、今日はやらないよ』っていうリアクションは良かった。気に入ったよ」
「お互いによく知っているし、本当に良い関係を築いているから何も問題はないよ」
「レースエンジニアとの関係はすごく重要だと思う。良い走りをするためにはレースエンジニアだけじゃなく、パフォーマンスエンジニアとか、身近な人達との良い関係が重要なんだ」
「長い時間を通してお互いを知り、関係を深めていくものだから、もし彼が解任されたりなんかしたら本当に困っちゃうよ」
両者は2016年以降、7年間に渡ってコンビを組み続けており、2021年と2022年にドライバーズタイトルを勝ち取っている。
7月30日(日)にスパ・フランコルシャンで行われた2023年F1第13戦ベルギーGP決勝レースでは、6番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が8連勝を達成。2位にチームメイトのセルジオ・ペレスが、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続く結果となった。
F1サーカスはこれよりサマーブレイクに入る。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは8月25日のフリー走行1で幕を開ける。