フェルスタッペン、相棒との口論で怒鳴り散らす…あわや角田に蹴落とされQ2敗退
結果的には予選最速を刻んだもののマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、Q2で角田裕毅(アルファタウリ)に蹴落とされかけた際、走行計画を巡ってGPこと相棒のジャンピエロ・ランビアーゼと口論。怒鳴り散らす場面があった。
もし最終ラップのタイミングがもう少し遅ければ、角田裕毅はトラック・エボリューションの恩恵を受けフェルスタッペンに代わってQ3に進んでいたかもしれない。両者のギャップはコンマ35秒に過ぎなかった。
Q2終盤、ターン9のトラックリミットにより自身のラップが抹消された事を知ったフェルスタッペンはどうすべきか助言を求めた。タイヤのオーバーヒートへの懸念とERSへのチャージという2つの観点からランビアーゼは、スローラップを挟んだ後、最後のフライングラップを行うよう伝えた。
フェルスタッペンは2周連続のプッシュラップを進言したが、ランビアーゼの指示に従ってクールダウンラップを経て最後のアタックに向かい、1分52秒784の10番手タイムを刻んでかろうじてQ2敗退を逃れた。
ピットに戻る際、フェルスタッペンは「だから言ったんだ。2周連続でプッシュすべきだって!」と放送禁止用語を織り交ぜランビアーゼに不満をぶつけた。
ランビアーゼが「でも突破できたじゃないか」と返事を返すと「10番手で突破したかどうかなんてどうでもいい! あれは兎に角、クソみたいなやり方だ!」と怒鳴り散らした。
これに対してランビアーゼは皮肉を込めるように「分かった。ただ、最後のアタックの際にコースが2秒速くなっていて、エネルギーが残っていなかったとしたら、どうなっていた? Q3でどうしたいのか教えてくれ。そうするから。ほら言ってくれ。セットは?燃料は?ランプランはどうする?」と答えた。
フェルスタッペンはこの後のQ3でトップタイムを刻んだ後、無線を通して「GP、ごめん…あんなに怒鳴り散らしたりして…」とランビアーゼに謝罪した。
予選後の記者会見で一件について問われたフェルスタッペンは「互いに大声を出したり、感情的になったりする事もあるけど、毎回、その後で解決しているから大丈夫」と答えた。
Q2でのランビアーゼの判断は正しかったと思うかとの質問に対しては「正直に言って、ここで答える必要はないと思う。それについては後で彼と話し合ってみる」と返した。
「滑りやすかったし、あまりリスクを冒したくないって事もあったけど、Q2でほとんどノックアウト寸前だったから、あれは本当に運が良かった」
「この手の状況は、それほど楽じゃないって事だよ。ほとんどの場合は上手くいくけど、時には失敗することもある。今日はラッキーだった」
Q2とは対照的に、DRSが解禁されたQ3でのラップは、2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)に0.82秒差をつける圧倒的なものだった。
フェルスタッペンは「Q3では2セットのタイヤが使えたから、もう少しばかりリスクを取ってプッシュできたんだ」とした上で、「もし完全なドライコンディションだったら、これほどギャップは広がらなかったと思う」と語った。
予選最速を刻んだとは言え、今季5基目のギアボックスの投入により日曜の決勝レースは5グリッド降格の6番グリッドに着くことになる。
ただ昨年大会で14番グリッドからの逆転勝利を果たしたフェルスタッペンは、今年も同じ様に表彰台の頂点を賭けて戦えると考えている。
「もっと酷いペナルティを受けた昨年の事を思えば、ここからでもまだレースに勝てるはずだ。これが日曜日の目標だ。でも、まずは明日の天気がどうなるか、どんなレースになるか様子を見てみることにするよ」とフェルスタッペンは付け加えた。
2023年のF1ベルギーGP予選でトップに立ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.82秒差で退けた。3番手にはフェルスタッペンの僚友セルジオ・ペレスが続く結果となった。
シュートアウトは日本時間7月29日(土)19時から、スプリントは同23時30分から1時間に渡ってスパ・フランコルシャンで開催される。セッションの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。