予選を終えてヘルメットを脱ぎピットを歩くフェラーリのセバスチャン・ベッテル、2020年F1バーレーンGP予選後
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フェラーリ:前年の最前列独占パワーは何処に? 無念のダブルQ2敗退「狐の様にずる賢くならなきゃ」とベッテル

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11月28日のF1バーレーンGP公式予選では、前年にフロントロー独占を果たしたフェラーリの姿はなかった。2台のSF1000は共に力なくライバルに先行を許し、セバスチャン・ベッテルが11番手、シャルル・ルクレールが12番手と、揃ってQ2敗退を喫した。

バーレーン・インターナショナル・サーキットはエンジンパワーがラップタイムに与える影響が大きく、非力な2020年型跳馬エンジンの弱点が露呈した格好だ。実際、同じフェラーリ製F1パワーユニットを搭載するハースとアルファロメオは揃ってQ1敗退を喫している。

順位 ドライバー Q1 Q2 Q3
11 セバスチャン・ベッテル 1:29.142 1:29.149
12 シャルル・ルクレール 1:29.137 1:29.165

スポーティング・ディレクターのローラン・メキーズは「厳しい予選になることは予想済みだった」と語り、決勝に関しても「ポジション的に難しいレースになる」と苦戦の言葉を口にするが、中団グループの各チームのロングランペースは拮抗しているため、タイヤ戦略次第ではチャンスがあるとも付け加えた。

2戦連続でチームメイトを予選で上回ったベッテルは、チームとしての連携プレーが上手くいかずにコンマ1秒差でQ3を逃した事を悔やみつつ、決勝レースについては「ミスを犯す事なくキツネのようにずる賢く、そして忍耐強く戦う必要がある」と語り、タイヤのデグラデーションという点で我慢のレースになるとの考えを示した。

Ferrari:F1バーレーンGP予選

セバスチャン・ベッテル予選: 11位, FP3: 13位

1周しかアタックできないのは決して理想的なことじゃないけど、今日のQ2は1度しかタイムを計測出来なかった。

そんな唯一のクイックラップはジョージ・ラッセルに前を走られてしまったため、(スリップストリームを得るために)シャルル(ルクレール)に牽引してもらうことができず第2セクターでタイムを失い、コンマ1秒差でQ3を逃す事になってしまった。

中団グループから抜け出す事が出来ないであろう事は折り込み済みだったけど、あと0.1秒あれば6列目じゃなくトップ10に入れていただけに本当に残念だ。

とは言え、明日はチームとして十分なポイントを獲得できると確信している。コース特性的に、今回のレースは主にタイヤマネジメントが重要になるはずだから、その点で僕らは上手い事やれるはずだ。レースではミスを犯す事なくキツネのようにずる賢く、そして忍耐強く戦う必要がある。

シャルル・ルクレール予選: 12位, FP3: 15位

FP3の時点で12番手以上は諦めていたけど、こうして予選を振り返ってみると、もっと良い仕事ができたはずだと思うから、トップ10に入れなかった事は残念でならない。

セブ(ベッテル)と僕はタイヤ選択の自由があるグリッドの中の先頭にいるわけだけど、正直なところ、今回はこれが大きなアドバンテージになるとは思っていない。実際ミディアムがベストな選択だと思うけど、何しろトップ10の連中もミディアムスタートだからね。

タイヤがすぐにオーバーヒートするような状況になるだろうから、レースではタイヤマネジメントが鍵を握るはずだ。


ポールポジションはルイス・ハミルトン、2番手にはバルテリ・ボッタスが続き、メルセデスが最前列を独占。3番手にはマックス・フェルスタッペン、4番手にはアレックス・アルボンが並び、レッドブル・ホンダが2列目を占拠した。

2020年F1バーレーン・グランプリ決勝レースは、日本時間11月29日(日)23時10分にスタート。1周5412mのバーレーン・インターナショナル・サーキットを57周する事でチャンピオンシップを争う。

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