ストロール「無理だよ、この手じゃ」負傷手首を庇う走り…安全に57周走り切れる?

アストンマーチンAMR23に乗り込むランス・ストロール、2023年3月3日F1バーレーンGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ターン1・2の走行ラインについてエンジニアのベン・ミッシェルから指示があった際、ランス・ストロール(アストンマーチン)は「無理だよ、無理。この手じゃ」と答えた。負傷した右手首を庇うために左手でステアリングを切るような状態だった。

ストロールは2週間前に自転車事故で両手首を負傷。これが原因でプレシーズンテストを欠席した。アストンマーティンは開幕バーレーンGPに向けてフェリペ・ドルゴビッチをスタンバイさせていたが、ストロールの出場を発表した。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

自転車事故で負傷したランス・ストロール(アストンマーチン)の左手首、2023年3月2日F1バーレーンGP

3月3日(金)に行われた2回のフリー走行で計45周を走ったが、ストレートでは右手首を振って休めるような素振りを見せたり、ターン1・8・10では左手を持ち替えて下から押し上げるようにステアリングを切っていた。右手で引き下げるのが難しいのだろう。

加えて、自力でクルマを降りる事ができないようで、メカニックの助けを得てガレージに足をつける場面も見られた。

ターン1での奇妙なステアリング操作についてストロールは「ただ単に庇ってたんだ。その方が少し楽でさ」と説明した。

ミッドフィールドのチームに所属しているドライバーであれば、誰もが先頭で戦えるクルマを待ち望むものだ。それが手に入ったとしたら、、逃しても良いと思う者はいないだろう。

ただ、プラクティスや予選であればまだしも、57周の長丁場になるレースを無事に完走できるのかという疑問が生じるのを抑えるのは難しい。

単独で走るわけではなく、ポジションを争いながら、不測の事態があれば瞬時に対処しなければならない。怪我がなければ回避できるような接触も回避できない可能性もある。自分だけでなく、他のドライバーやマーシャルに危害が及んでしまうかもしれない。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

バーレーン・インターナショナル・サーキットでアストンマーチンAMR23をドライブするランス・ストロール、2023年3月3日F1バーレーンGP FP1

だがストロールは「間違いなく問題なくドライブできると感じてる」と手応えを得た様子だ。

「事故からまだ13日しか経っていないにも関わらず、こうして今日、クルマに戻って来られて最高の気分だ」とストロールは語る。

「事故当時はこんなに早く戻ってこれるとは思ってもみなかったから、チームと一緒にこの場にいられて本当に嬉しい」

「イグニッションのトラブルがあってFP1では少し時間をロスしたけど、解決した後は順調に走り、今夜の作業のために有益なデータを収集できた」

「チームがウィンターブレイクを通して大きく前進したのは明らかだ。クルマの感触は素晴らしかった」

「明日またステアリングを握るのが楽しみだ」

アストンマーチンはバーレーンGPの初日をフェルナンド・アロンソがトップタイム、ストロールは怪我を負いながらも6番手で締め括った。


バーレーングランプリ3回目のフリー走行は日本時間3月4日(土)20時30分に、公式予選は同24時に、そして決勝レースは5日(日)24時に開始される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

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