時々F1が嫌になる、とフェルスタッペン…タイヤ破損で確実視された勝利失う
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誰もがマックス・フェルスタッペンの2連勝を、そしてチャンピオンシップでのリード拡大疑わなかった事だろうが、それは本人も同じだ。曰く、6日(日)のバクー市街地コースでのレースは「楽勝」に終わるはずだった。
F1アゼルバイジャンGP決勝レースでフェルスタッペンは、オーバーテイクとオーバーカットによって早々にトップに立つと、その後はペースをコントロールしながらレースを完全に支配。チームメイトとの1-2フィニッシュは約束されたかに見えた。
だが残り5周というところで、ホームストレートを時速300km超で走行していた際に左リアタイヤが破損。バリアに突っ込みリタイヤを余儀なくされた。
失意と怒りに震えたフェルスタッペンは、コックピットを降りるとリアホイールを蹴りつけフラストレーションを爆発させたが、選手権を争うライバルのルイス・ハミルトンがラスト2周で2番手から最後尾に転落した事が幾らか慰めになったようで、落ち着いた様子でインタビューに応えた。
失意のレースを振り返ったフェルスタッペンは、深い溜め息をつきながら「フィニッシュまであと少しというところでタイヤブローによってリタイアしてしまったのは悔しいし本当にガッカリだよ」と述べ、苦笑いを浮かべながら「時々このスポーツが嫌になるね」と続けた。
「実際問題、あの時点までは最高の一日だったんだ。クルマは絶好調だったし、後続の状況に合わせて何でも必要な走りができていたし、楽勝でレースをリードしていた」
「言ってみれば楽に勝てたわけだけど、もちろん、このスポーツには保証なんてものはどこにもない」
「(バクーとは異なる)一般的なサーキットではメルセデスが非常に手強いから、ここで(ランキングの)差を広げるチャンスを逃してしまって悔しい」
「幸運にも、最終盤にルイス(ハミルトン)がターン1で飛び出てた事もあり、僕らは世界選手権でのトップを維持する事になったけど、別にこんな形を望んでいたわけじゃない」
「今日のレースでは、もっとギャップを広げて優勝したかった」
悲劇的なクラッシュにも関わらず、フェルスタッペンは依然としてハミルトンに4ポイント差でチャンピオンシップをリードしているが、事故当時のままのポジション、つまりフェルスタッペンが優勝しハミルトンが3位であったとすれば、両者の得点差は14ポイントにまで拡大していた計算となる。
本来であればフェルスタッペンが手にしていたはずの表彰台の頂点にはセルジオ・ペレスが立つ事となった。失意の底にありながらも、フェルスタッペンはチームメイトの移籍後初優勝を祝った。
「もちろん、凄く嬉しいよ」とフェルスタッペン。
「本当ならワンツーになるはずだったけど、それでも彼がレースを制した事は本当に嬉しい。彼はいいヤツだし素晴らしいチームメイトだし、今日の仕事ぶりも本当に素晴らしかった。彼はやるべき事を全てやり遂げた」
「表彰台で彼の笑顔とレッドブルでの初勝利が見れて本当に良かった」
ペレスの優勝によって25ポイントを得たレッドブル・ホンダは、ノーポイントに終わったメルセデスに対し、コンストラクターズ選手権でのリードを26ポイントに広げた。
6月6日(日)にバクー市街地コースで行われた2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPでは、6番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が2勝目を上げ優勝。2位はセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、3位表彰台はピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)という新鮮な顔ぶれが並んだ。
ポール・リカール・サーキットを舞台とする次戦フランスGPは、6月18日のフリー走行1で幕を開ける。