ポール・モナハンと一緒にモニターを見つめる田辺豊治テクニカル・ディレクター、F1アゼルバイジャンGPにて
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2台がリタイヤのホンダF1「Spec 2 エンジンは高い信頼性を発揮」F1アゼルバイジャンGP《決勝》

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ホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは、28日(日)に行われたF1第4戦アゼルバイジャンGP決勝を終えて「新型エンジンの高い信頼性を確認できた」と語り、スペック2のICE=内燃エンジンが問題なく機能した事に満足感を示した一方で、不遇なトラブルにより2台を失った事に失望感を示した。

田辺TDはレースに向けてバクー市街地コースでの目標を「4台完走、4台入賞」としていたが、入賞したのは4位のマックス・フェルスタッペンただ一人。レッドブルRB15とトロロッソSTR14は共に高いポテンシャルを示していたが、アクシデントとメカニカルトラブルによってダニール・クビアトとピエール・ガスリーがリタイヤ。タイヤ戦略が噛み合わず、アレックス・アルボンは惜しくも11位完走に甘んじた。

32周目、トップ10を争っていたクビアトに対してルノーのダニエル・リカルドがオーバーテイクを仕掛けた。イン側からコーナーに突っ込んだリカルドは、曲がり切れずにエスケープゾーンに。煽りを受けて、アウト側のクビアトも同じようにエスケープに逃れた。この時は接触を回避したものの、バックギアでコースに復帰する際にリカルドが誤ってクビアトに激突。これによって両者のマシンは破損し、最終的に二人共がリタイヤを強いられた。

アルボンは印象的なペースを刻んで入賞圏内9番手に浮上するも、ソフトタイヤでの第一スティントを引っ張ったために一気に最下位に。その後段階的にポジションを上げていったが、惜しくもキミ・ライコネンを捉えることが出来ず、11位でチェッカーを受けた。

ピットからスタートしたガスリーは、好ペースを刻み続けて徐々にポジションを挽回。上位入賞を確実にしたかに思われたが、6番手を走行していた40周目に突如パワーダウンを訴えてコース脇のエスケープゾーンに車を停めた。これに伴いバーチャルセーフティカー(VSC)が出動。ドライブシャフトの破損が疑われている。残り13周でのリタイヤであった。

「今日のレースは、スペック2のICEを導入した初戦ということもあり、4台完走を目指していましたが、残念ながら2台がリタイアとなってしまいました」と田辺TD。レースを振り返った。

「フェルスタッペン選手はいつも通りの安定した走りで、3戦連続となる4位を獲得してくれましたが、その一方で、ガスリー選手とクビアト選手が、それぞれマシンのトラブルとレース中のアクシデントによりリタイアとなってしまった事は本当に残念です。また、完走を果たしたアルボン選手についても、あと少しでポイント獲得に至らなかったことは悔しく思っています」

「新しいスペック2は週末を通して問題なく機能しましたので、さらなるデータ分析を進め、次のスペインGPに向けて準備を進めます。今後ともチームと一緒に前進を続けていければと思います」


51周で争われた決勝レースでは、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスがポール・トゥ・ウイン。通算5勝目を上げて優勝した。2位はルイス・ハミルトン。シルバーアローが4連連続1-2を達成した。3位表彰台にはスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが滑り込んだ。

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