ハース、敢えて「リザルトを妥協するかも」とシュタイナー…得点ゲット2倍のF1オーストリアGPで
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昨年のレッドブル・リンクはハースにとってスプリントと決勝で大量ポイントを獲得した場所であり、今回も好成績が期待されるところだが、ギュンター・シュタイナー代表は、今週末のF1オーストリアGPでは敢えてリザルトを妥協するかもしれないと語った。
2022年のスプリントでハース勢はケビン・マグヌッセンが7位、ミック・シューマッハが9位と揃ってトップ10に食い込み、決勝ではシューマッハが6位、マグヌッセンが8位とダブル入賞を飾った。
スプリントフォーマットが適用されるオーストリアでは、ポイントが付与されるレースが2回に渡って行われる。コンストラクターズ選手権でウィリアムズに1点差に詰め寄られているハースにとっては引き離すための好機だが、VF-22の後継機であるVF-23はロングランペースに致命的な課題を抱えている。
前戦カナダGPでは、ニコ・ヒュルケンベルグがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次ぐ2番目の速さを刻んで予選を湧かせたものの、レースでは「計り知れないレベルのデグラデーション」に見舞われ15位に終わった。
オーストリアGPに先立ちシュタイナーは、一刻も早くこの問題を解決するために、スプリントと決勝の2回のレースが行われるF1オーストリアGPを「ちょっとしたテストセッション」として活用する意向を明らかにした。
「レースペースの問題を解決するために努力しなければならないことが山積みだ。幾つかの解決策を用意した」とシュタイナーは語る。
「今週末は2回に渡ってレースが行われる。我々にとっては様々な事を試す時間が2倍に増えるというわけだ」
「無論、常に可能な限り最高の結果を得ようとしているが、レース当日の我々のクルマに何が起きているのかを理解するために、リザルトを妥協することもあるかもしれない」
ポイント獲得のチャンスが2倍となる週末を犠牲にしてまで問題解決に取り組むのには、これが2024年型「VF-24」のデザイン作業に影響を与えるためだ。
「かなりの速さがありながらも、レースでは奮わないという不一致がなぜ起きているのかを解明するために懸命に努力している」とシュタイナーは語る。
「幾つかの手がかりを掴んでいるが、それがVF-24の設計に影響を与えることは間違いない。来年のクルマに引き継ぐわけにはいかない」
VF-23の改善にはマグヌッセンとヒュルケンベルグ双方からの的確なフィードバックが欠かせないが、シュタイナーは「ケビンにもニコにも私は本当に満足している。彼らは問題を整理して解決策を見つけるために不可欠な存在だ」と高く評価した。
オーストリアGPの舞台となるのは1周4318m、コーナーは僅か10箇所と、カレンダーの中で最も少ない。第4戦アゼルバイジャンGPに続き、今季2回目のスプリントフォーマットが適用される。
2022年のオーストリアGPでは、2番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を逆転。1.532秒差でトップチェッカーを受けた。
F1オーストリアGPは日本時間6月30日(金)20時30分からのフリー走行1で幕を開ける。予選と決勝を含めた全セッションはDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。