レース前のグリッドで準備する角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月2日F1オーストリアGP
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オコンと接触の角田裕毅、責任の所在語る…9回もの走路違反は車体損傷の影響か。最下位と散々な結果に

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F1第10戦オーストリアGP決勝レースは角田裕毅(アルファタウリ)にとって散々な展開となった。1周目にエステバン・オコン(アルピーヌ)と接触。その後は9回に渡ってトラック・リミット違反を犯し、計20秒のタイムペナルティを受け、17位フィニッシュながらも完走車の中で最下位の19位に降格した。

事件はスタートから僅か数秒で発生した。ターン1の出口で前方のオコンと接触した事でフロントウイングの左翼端板を破損。続くターン4で止まりきれずにグラベルに飛び出した。デブリの回収のためにセーフティーカー(SC)が導入された。

レッドブル・リンクのターン4でグラベルに飛び出した角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月2日F1オーストリアGP決勝レースにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル・リンクのターン4でグラベルに飛び出した角田裕毅(アルファタウリ)、2023年7月2日F1オーストリアGP決勝レースにて

クルマにダメージがあると報告してピットへと戻った角田裕毅はウイングとタイヤを交換。最後尾にまで転落するも、4周目にリスタートを迎えると一気に17番手にまで巻き返し、バーチャル・セーフティーカー(VSC)の導入時にステイアウトした事で16周目に8番手にまで浮上した。

だがその後はデグラデーションも酷く、ズルズルとポジションを落としていき、最終的に3回のピットストップを消化。2度のトラック・リミットにより計15秒を科され17位でフィニッシュして18位に降格されると、アストンからの異議申し立てを受け判明した追加の走路違反により、更に5秒を受けて最終19位と相成った。

最終リザルト確定前のインタビューの中で、オコンとの一件について角田裕毅は次のように述べ、リスクを取った結果であり、自身に責任があるとの考えを示した。

「本当に悔しいです。ですが僕はリスクを取りました。だから誰のせいでもありません。たぶん僕の責任です」

「厳しいレースになる事が分かっていたので、リスクを取って攻めました。兎に角、スタートでできるだけポジションを上げようと思って」

「上手くいきましたが、その後のペースは今ひとつでした。もしかしたらフロアに若干ダメージがあったのかもしれません。原因を調査してみるつもりです」

チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、角田裕毅がアンダーステアに苦しんでいたとして、2回目のピットストップの際にフロントウイングのフラップを調整した事を明かした。だがそれでも、クルマに競争力が戻ることはなかった。

むしろこの日は、ニック・デ・フリースの方が良いペースを刻んでいた。

角田裕毅は「もう1台のマシンはもう少しペースがあったかと思います。彼は多くを変更してピットレーンからスタートしました。その方が良かったのかもしれません。この先のレースに向けて良い勉強になりました」と付け加えた。

アルファタウリは決勝を前に、初日予選で最下位に終わったデ・フリースの21号車に今季3基目となるES(バッテリー)及びCE(コントロール・エレクトロニクス)を搭載。更に、以前装着していたものとは異なる仕様のリアウィングとビームウイングに交換すると共に、サスペンションのセットアップにも変更を加えた。

これらのパルクフェルメ規定違反に伴いピットレーンからスタートしたデ・フリースは、角田裕毅より上位の17位で週末を締め括った。

オコンとの接触やタイムペナルティに関わらず、レッドブル・リンクでのAT04にポイント獲得に足るペースはなかったように思われる。次戦イギリスGPで導入される予定のアップグレードに期待したい。


7月2日(日)にレッドブル・リンクで行われた2023年F1第10戦オーストリアGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3位にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続く結果となった。

シルバーストン・サーキットを舞台とする次戦イギリスGPは7月7日のフリー走行1で幕を開ける。

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