アルファタウリ・ホンダAT01の整備に取り組むメカニック達、2020年F1オーストリアGP初日
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苦戦のアルファタウリ・ホンダ、フロントエンドのグリップが不足

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まだ初日が終わったばかりとは言え、マクラーレンやレーシングポイントがトップ10圏内に名前を並べ、あわよくば3強チームを食わんとしているのとは対象的に、アルファタウリ・ホンダは完全にミッドフィールドに埋もれているように見える。

ピエール・ガスリーを上回る12番手タイムを刻んだダニール・クビアトと、中団チーム最速をマークしたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)とのギャップは0.498秒と大きな差が付いた。

一発の速さでウィリアムズ、ハース、アルファロメオに僅差で競り勝ったとしても、現状ではルノー、マクラーレン、レーシングポイントの背中に手が届く気配は一切感じられない。

計3時間のセッションを終えた車両パフォーマンス部門を率いるギヨーム・デゾテウスは、初日のガレージ内の様子と、AT01が抱えている問題点について説明した。

「今日は最初のフリー走行で幾つかオペレーション上の問題を抱えた上に、マシンバランスを見出すのに苦労してしまった。湿った路面コンディションでセッションが始まった事もあり、天候も助けにはならなかった」

「セッションの合間に色々とセットアップを調整した結果、午後はマシンが大幅に改善された。ドライバー達も満足していたようだ。ただし、第3セクターでは依然としてフロントエンドのグリップが不足していて、それがフロントタイヤにかなりの負荷をかけている」

「あらゆるデータを分析して、競争力という点での自分たちのポジションを理解する必要がある。ミッドフィールドは今年も接戦になりそうだから、この集団の中でトップを争えるようにするには、細部に至るまでクルマのあらゆる箇所を最適化しなければならない」

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、現地入りしている全てのメンバーは、マスクやフェイスガードといった個人用保護具(PPE)を身に付け、ソーシャルディスタンスという制限がある中で作業に取り組まねばならなかったが、こうした行動制限についてデゾテウスは、特に大きな影響はなかったと語った。

「最後になるが、こうして再びレースを再開できて素晴らしい。健康および安全に関する各種行動制限に関してはさほど気に取られる事もなく、概ね通常通りに進める事ができたよ」


初日をトップで締め括ったのはメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。2番手で僚友のバルテリ・ボッタスを0.197秒差で退けた。3番手には0.641秒遅れでレーシングポイントのセルジオ・ペレスが続く結果となった。

2020年F1オーストリアグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間7月4日(土)19時から20時まで、公式予選は同22時から1時間に渡ってレッドブル・リンクで開催される。

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