ゲームの世界から飛び出したアウディの超高性能EVレースカー、篠田麻里子を乗せて富士スピードウェイをデモ走行
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プレステ4の人気ソフト「グランツーリスモ」とのコラボによって生まれた電気自動車のコンセプトカー「Audi e-tron Vision Gran Turismo」(ビジョン・グランツーリスモ)が8月4日(土)、静岡県富士スピードウェイでデモンストレーションランを実施。日本初走行がファンに披露された。
デモ走行はアウディ・ジャパン株式会社が主催する形で、SUPER GT第5戦「FUJI GT 500mile RACE」開催中の8月4日(土)に行われ、Audi Sportのファクトリードライバー、ブノワ・トレルイエがステアリングを握った。トレルイエはフォーミュラ・ニッポンやSUPER GTへの参戦経験を持つ、日本に馴染み深いドライバーであり、アウディでは2011年、2012年、2014年のルマン24時間レースで3度の総合優勝を果たすなど輝かしい経歴の持つ。
デモランを終えたトレルイエは、ビジョン・グランツーリスモは電動自動車レースの最高峰「フォーミュラE」よりもパワーがあり、ドライブしていて楽しいクルマだとコメント。コンセプトとは言え、既に高いレベルの性能を誇っていると主張した。
「フォーミュラEのテストでEVのレースカーに乗った事があるんだが、このクルマはもっとパワフルで四輪駆動だし、ハンドリングも良い素晴らしく楽しいクルマなんだ。世界に1台だから今日のデモ走行では無理はできなかったけど、富士の最終セクターならSUPER GTのマシンよりも速く走れんじゃないかって思った程だったよ」
「ドライバー的に言えば、EVのレースカーはテクノロジー面で多くのアドバンテージがあると思う。ファンの立場で言えばエンジンサウンドがないことは、もちろん僕自身も寂しくはあるけれどね。世界中のサーキットが都市から遠く離れているのは、エンジンの爆音が一因だし。今後レース競技を広げていくためには、EVレースが1つのチャンスを握っていると思うよ」
アウディはゲストとしてAKB48の卒業生で現在は女優として活躍する篠田麻里子さんを招聘。助手席での同乗走行で富士スピードウェイのレーシングコースを3周し、Audi e-tron Vision Gran Turismoの日本初走行を体感した。
「サーキットやレースもゲームでは体験したことがありますが、実際に訪れたのは初めてでとても緊張しました。グリッド上で赤いシグナルが5つ点灯して消えるとスタート、というレースのシーンもリアルに体験することができて本当にうれしかったです」
「私自身プライベートでEVを運転する機会があるのですが、ブノワさんの運転はスピードもコーナリングも未知の世界のものでした。EVのレースカーということで、加速は凄かったですが、音は思っていた以上に静かでした。やはりEVは静かで快適ですし、ガソリンを使わないという意味ではエコだと感じます」
「将来的はレースでもこうしたクルマがどんどん起用されてくるのだと思いますし、その未来に向けての貴重な1台に日本人として初めて乗ることができてとても光栄です」
Audi e-tron Vision Gran Turismoは、プレイステーション4用レースシミュレーションソフト「グランツーリスモ」とのコラボレーションにより、アウディがデザインしたバーチャルカー。仮想世界のスーパーカーが現実世界のワンオフカーとして開発・製造された。
200kWの電気モーターをフロントアクスルに1基、リヤに2基を備えるフルタイム4WDの電気自動車は、システム出力600kW(815馬力)を誇る。車重1,450kgはEVとしては比較的軽量で、パワーウェイトレシオはわずか1.78kg/hpに収められている。スポーツドライビングに大きな影響を与える前後重量配分は、理想的な50:50。0~100km/h加速では2.5秒以下という驚異的なタイムを叩き出す。
エクステリアデザインおよびカラーリングは、Audi 90 quattro IMSA GTOへのオマージュがベース。この伝説的なレーシングマシーンは1989年、パワフルな5気筒ターボとquattroシステムの組み合わせをアドバンテージに、ハンス-ヨアヒム・シュトゥック、ワルター・ロール、ハーレイ・ヘイウッド、スコット・グッドイヤーらの手によって、北米IMSA GTOシリーズを席巻した。
8月8日(水)には期間限定として、東京秋葉原のベルサール秋葉原にて10:00から15:00までの間、展示イベントが開催される。
https://www.youtube.com/watch?v=VEhOdmyYOCk