アストンマーチンF1、突然の低迷はFIAによる取締強化が原因か

ガレージからコースに向かうアストンマーチンのランス・ストロール、2023年6月30日F1オーストリアGPCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンF1チームの突然のペースダウンの原因について英「Autosport」は、国際自動車連盟(FIA)によるフレキシブル・ウイングの取り締まり強化の影響を受けた可能性があると伝えた。

フェルナンド・アロンソは今季開幕6戦の全てで表彰台に挙がる目覚ましいパフォーマンスを見せつけ、レッドブルに続く2番目のチームとしての立場を確立させたかに思われた。だが母国で行われた第7戦スペインGPでは7位に終わり、以降は明らかに勢いを失った。

Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

2位表彰台獲得をチームメンバーと一緒に喜ぶフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、2023年5月28日F1モナコGP

プレシーズンでの怪我もありランス・ストロールの成績は一貫性に劣るためアロンソのリザルトで比較すると、モナコまでの開幕6戦で獲得したポイントが93点であるのに対し、ベルギーまでの以降の6戦で持ち帰ったのは56点と、6割に過ぎない。

アロンソは、第11戦イギリスGPで導入された新型ピレリタイヤがパフォーマンス低下の要因であると示唆したが、チーム側はカナダGPに持ち込んだアップグレードによる「副作用」である可能性を指摘した。

これは多くのダウンフォースが要求されるサーキットで顕著に表れる類のものだという。

例えばアロンソは、ロー・ダウンフォースのジル・ビルヌーブ・サーキットでは2位表彰台に上がっているが、これとは対照的なハンガロリンクでは9位と、かろうじて入賞するのが精一杯だった。

ただ一方でパドックには、フレキシブルウイングに関するFIAの取り締まり強化に関係するものではとの興味深い見方があるという。

噂では第4戦アゼルバイジャンGP前後にFIAが、幾つかのチームに対して変更を要請する非公式の打診を行ったとされ、この件に詳しい情報筋によるとアストンマーチンはその中の一つに含まれている。

Autosportは、アロンソが今年始めて表彰台を逃した第8戦スペインGP頃に「アストンマーチンのパフォーマンス特性が変化した」ようだとして「特に低速と中速のパフォーマンスが後退した」と指摘し、スペインGP以降のAMR23のフロントウイングからは、序盤に使用されていた一部のピボットが取り外されていると説明した。

走行中のマシンは強烈な加減速や気流によってあらゆる負荷を受けるためボディーワークの変形は避けられないが、F1の技術規定はたわみを制限している。

フレキシブル・ウイングは主としてストレート区間での高速走行の際に、気流を利用して意図的にウイングを寝かせる事で空気抵抗を低減し、トップスピードを引き上げる効果がある。一方で低速では高いダウンフォースを発生させる。

パーツをたわませる事でアドバンテージを得る手法が認知されたのは1990年代後半になってからとみられている。先鞭をつけたのは恐らくフェラーリで、マラネロが精力的にこの課題に取り組んでいた事はよく知られる事実だ。

フレキシブル・ウイングに関する論争はF1の伝統文化のようなもので、統括団体とF1チームはこれまでにイタチごっこを繰り返してきた。特に2021年は、レッドブルとメルセデスが裁判沙汰も辞さない構えで激しい場外乱闘を繰り広げた。

アップグレードへの理解不足なのか、取り締まり強化なのか、はたまたその両方なのか。低迷の理由が何であるかは不明だが、チーム代表を務めるマイク・クラックはアロンソが5位フィニッシュしたスパ・フランコルシャンでのレースを経て、データは「前向きな」数値を示しているとして、オランダGPからのシーズン後半戦に向けて復調に期待を示している。

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