ユニオン・ジャックのベールに包まれたアストンマーチンF1チームの2022年型F1マシン「AMR22」、2022年2月10日の新車発表イベントにて (3)
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンF1、新車「AMR22」を世界初公開…2022年”実車発表”一番乗り

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アストンマーティン・アラムコ・コグニザントF1チームは2月10日(木)、英国ゲイドンのアストンマーティン本社でローンチイベントを開催。2022年シーズンのFIA-F1世界選手権に投入する新車「AMR22」を世界初公開した。

一新された今季技術規定に基づくニューマシンはDBX、ヴァルハラ、そしてヴァルキリーに囲まれるように舞台上に置かれ、ユニオン・ジャックのベールに覆われた。そしてローレンス・ストロール会長による10分間のスピーチの後、アンベイルされた。

アストンマーチンの2022年型F1マシン「AMR22」、2022年2月10日のローンチイベントにて (2)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンの2022年型F1マシン「AMR22」、2022年2月10日のローンチイベントにて (2)

セバスチャン・ベッテルとランス・ストロール、2022年2月10日のアストンマーチン新車「AMR22」ローンチイベントにてCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

セバスチャン・ベッテルとランス・ストロール、2022年2月10日のアストンマーチン新車「AMR22」ローンチイベントにて

AMR22は先代「AMR21」同様に、ブリティッシュグリーンを基調とするカラーリングを採用する。ただ、昨年までスポンサーを務めていたBWTが去った事でアクセントカラーのピンクは消滅し、代わりに蛍光イエローのラインが車体全体を引き締める。パワーユニットはE10燃料に対応したメルセデスの最新スペックを搭載する。

既にハースとレッドブル・レーシングがローンチイベントを開催しているが、両者が公開したのはレンダリングイメージとショーカー。ライバルとは対照的にアストンマーチンは、広報担当者曰く、実際にプレシーズンテスト並びにシーズンを通して戦う”実車”をお披露目した。

アストンマーチンの2022年型F1マシン「AMR22」、2022年2月10日のローンチイベントにて (1)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

アストンマーチンの2022年型F1マシン「AMR22」、2022年2月10日のローンチイベントにて (1)

昨年はセバスチャン・ベッテルが表彰台1回を獲得するも目標としていた3位には遠く及ばず、チームはコンストラクターズ選手権7位と苦汁をなめた。AMR22は逆襲の1台となるだろうか?

一昨年まで「レーシングポイント」として知られていたシルバーストンのチームは今年、サウジアラビアの国営石油会社「アラムコ」と冠スポンサー契約を結び、財務基盤を強固なものとした。2022年は開幕戦から最終戦まで、シーズンを通して開発競争が続く事になる。

ローレンス・ストロール会長は、インフラと人的リソースに対する多額の投資を躊躇わない。

チームは昨年9月、2億ポンドを投じて英国シルバーストンに新たなファクトリーを着工。また、レッドブルで空力部門のチーフを務めていたダン・ファロウズや、チーフ・エアロダイナミシストとしてメルセデスで働いていたエリック・ブランディンをはじめとする多くの有能な人材をかき集めている。更に、オトマー・サフナウアーに代わってマイク・クラックが新たなチーム代表に就任した。

チームはチャンピオンシップ制覇を目標に、前に突き進む姿勢を見せているものの、こうした投資が利益を生むには時を待たねばならない。まずはミッドフィールド上位争いへの復帰が現実的なマイルストーンとなるだろう。