アストンホンダ、新コンセプト投入で性能向上へ。改善への道筋を語るアロンソとストロール

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ランス・ストロールとフェルナンド・アロンソが2026年F1第5戦カナダGPの週末に先立ち、チームの現状と今後のアップグレードの見通しについて語った。アストンマーティン・ホンダは前戦マイアミGPでの「一歩前進」を足がかりに、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでの週末に臨む。

誰にとっても母国レースがそうであるように、ストロールにとってF1カナダGPは特別な一戦だ。木曜のメディアデーで、今週末への思いを素直に語った。

「最高だよ。シーズンを通して、この週末をずっと楽しみにしているんだ。一年で一番好きなレースさ。コースも大好きだし、ファンも、あのエネルギーもね。街全体がレースウィークに本気で入り込んでくるんだ」

「FP1の最初のアウトラップで走っているときでさえ、もうしびれるような感じなんだ。サーキット周辺のエネルギーが本当にすごい。ここには何年にもわたって素晴らしい思い出があるし、良い結果も、そして良いレースも何度かあった。楽しみだよ」

FIA会見で質疑に応じるランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)、2026年5月21日(木) F1カナダGPメディアデー(ジル・ビルヌーブ・サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

FIA会見で質疑に応じるランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)、2026年5月21日(木) F1カナダGPメディアデー(ジル・ビルヌーブ・サーキット)

折しも前週末には、マックス・フェルスタッペンがメルセデスAMG GT3でニュルブルクリンク24時間レースに参戦した。4月の中断期間に、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパの開幕戦でGT3デビューを果たしたストロールは、今回のフェルスタッペンの走りに称賛を贈った。

「24時間すべてを見たわけじゃないけど、ハイライトは見たよ。もちろん、脱帽だ。彼は本当に才能があって、速く、勇敢だ。夜中にとんでもない動きをしていたし、ステアリングを握っているときは常に、ものすごく速かった」とストロールは語る。

「楽しかったよ。[F1マシンとは]違うクルマをドライブするのは、いつだって最高なんだ。彼は良かった。見ていて楽しかったよ」

なお、フェルスタッペンのチームはレース終盤までトップを快走したものの、残り3時間半ほどの時点でドライブシャフトのトラブルに見舞われ、勝利を逃した。

ダブル完走で「一歩前進」を果たしたマイアミ

コーナー出口で隊列を組み先行するランス・ストロールとフェルナンド・アロンソ(ともにアストンマーティン・ホンダ)、2026年5月3日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

コーナー出口で隊列を組み先行するランス・ストロールとフェルナンド・アロンソ(ともにアストンマーティン・ホンダ)、2026年5月3日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)

母国レースへの高揚とは裏腹に、アストンマーティン・ホンダの2026年シーズンは極めて厳しい状況にある。だがストロールは、前戦マイアミGPでの成果に小さな手応えを見出している。

「振動の問題はマイアミで解消された。レースを完走できたし、今季初めて2台そろってチェッカーフラッグまでたどり着いた。良かったよ。これは一歩前進だと思う」とストロールは語る。

アストンマーティン・ホンダは開幕戦オーストラリアGP、第2戦中国GP、そして第3戦日本GPの3戦で4度のリタイアを喫した。その要因となっていたのが、ホンダ製パワーユニットを起点とする振動問題だった。

これはマシンの信頼性の問題にとどまらず、アロンソは四肢のしびれにより中国GPでリタイアを選択した。

鈴鹿での日本GPを終えて、F1は5週間にわたる異例の春休みに入った。ホンダはこの期間を利用し、AMR26の1台を日本に残してダイナモで振動の原因を詳細に分析。対策を施した。マイアミでのダブル完走は、こうした作業の成果だった。

依然足りぬ競争力…改良は早くともスパ

振動という当面の難題を越えてなお、アストンマーティン・ホンダの前には大きな課題が横たわる。

「今はとにかく、もっと多くのダウンフォースとパワーを見つける必要がある。それができれば、もっといい状態になる。だからそこに集中しているんだ」とストロールは語る。

レースディスタンスを走りきったことで、アストンマーティン・ホンダはようやく性能改善フェーズに足を踏み入れた。では、そのパフォーマンスはいつもたらされるのか。

ストロールが挙げたのは、まだしばらく先の時期だった。チームは7月の第12戦ベルギーGP、または第13戦ハンガリーGP、あるいはサマーブレイク明けの第14戦オランダGPに向けてアップグレードの開発を進めているという。ただし、実際にいつ投入されるかは分からないとストロールは明かす。

さらに、そのアップグレードが投入されても、すぐにトップを争えるわけではない。一夜にして上位を争う競争力を得ることはできないとストロールは強調する。

「誰もが可能な限り全力で取り組んでいる。できるだけ速く、できるだけ多くのラップタイムをクルマから引き出すために、できることはすべてやっている」

空力・エンジン双方のコンセプト改定へ

笑顔で談笑するフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)とリザーブドライバーのジャック・クロフォード、2026年5月21日(木) F1カナダGPメディアデー(ジル・ビルヌーブ・サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

笑顔で談笑するフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)とリザーブドライバーのジャック・クロフォード、2026年5月21日(木) F1カナダGPメディアデー(ジル・ビルヌーブ・サーキット)

2度のF1王者は、ストロール以上に現実的な姿勢を崩さない。アロンソは、前戦マイアミGPの週末を通してギアボックスの挙動を課題に挙げており、これを、ヘビーブレーキングの多いカナダに向けた最優先の修正事項と位置づけている。

「週末ごとに目標は違う。残念ながら今週末は性能面のアップグレードがない。だから焦点は、ドライバビリティと、マシンの感じ方を改善し、今あるものを最適化することにある」とアロンソは説明する。

苦難の時期にチームの士気を支える役割について問われると、アロンソはドライバーが果たすべき責任に話を向けた。

「今の僕らの使命は、チームに寄り添い、できるだけ早く全員で改善していくことだ。そのためには団結し、コックピットからは、エンジニアやデザイナーに対して、可能な限り最善の形でフィードバックを返す必要がある」

アロンソによれば、アストンマーティン・ホンダは今後数カ月のうちに、エンジンと空力の双方に従来とは異なるコンセプトを投入する計画を立てている。その効果を最大化するためにも、ドライバーからの有益なフィードバックは欠かせない。

「ステアリングを握る立場として、自分たちが必要としているもの、そしてフィードバックを正確に伝える必要がある」

カナダGP後には、追加開発・アップグレード機会(ADUO)規定に基づく最初の評価が行われる予定で、ホンダにはアップグレードの権利に加え、開発資源と財務の両面で巻き返しに向けた制度上の後押しが与えられる見通しだ。

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