ホンダ挽回へ追い風。FIAがF1パワーユニット規則変更を承認、ADUO拡大の新措置導入

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FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)は5月7日(木)、F1パワーユニット規則の変更を承認した。これは、アストンマーティンにPUを供給するホンダの巻き返しを支援するための措置と広く受け止められている。

2026年シーズン序盤のホンダの苦戦を受け、FIAとPUメーカー各社は、ホンダに何らかの追加支援を与える方法について協議を進めてきた。そこには、極度の苦戦はF1全体にとって好ましいことではないとの共通認識があるとされる。

変更されたのは、今季より導入された「追加開発・アップグレード機会(ADUO)」規定だ。これにより、追加の開発機会および更なる財政的支援の扉がホンダに開かれることとなった。

ADUOはシーズンを3つの評価期間に分け、FIAが各メーカーのICE(内燃エンジン)のパフォーマンス指標を測定。そのうえで、最高性能のPUとの差を基準に追加アップグレードの権利を付与するとともに、開発資源と財務の両面で巻き返しを後押しする仕組みだ。

ADUO変更で支援拡大

今回の変更により、ベンチマークPUとの性能差の最大枠が「8%以上」から「10%以上」へと一段階拡張され、より大きな後れを取ったメーカーへの恩恵が引き上げられた。

コストキャップ下で認められる控除枠の上限は、「8%以上」遅れたメーカーに対する従来の800万ドルに対し、「10%以上」遅れたメーカーを対象とする1100万ドルに拡大された。

さらに、2026年限定の一度限りの措置として、800万ドルの追加開発予算も認められる。一方でこちらの規定は、将来の予算枠を削って当座の開発費に充てる「前借り」という位置づけだ。

この特例を利用して特別控除を受けた場合、当該メーカーは翌年からの向こう3シーズンにわたり、受けた控除と同額の上方修正(予算枠の削減)を行わなければならない。

テストベンチの稼働時間も拡大され、10%以上遅れたメーカーは230時間の追加テストを実施できることとなった。従来の最大値は、8%遅れに対する190時間だった。

FIAは各PUの評価を公表していないが、ホンダはADUO規則の「10%以上」に該当するとみられている。

一方で、FIAが各メーカーのICE性能をどのように評価するかを巡っては、少なからず論争も起きている。ターボのサイズを含め、外部要因の影響が複雑に絡むためだ。

こうした状況を背景に、FIAはカナダGP後の最初の判定を経て、評価方法を調整する可能性を認めている。規則には以下の注記が付けられている。

「2%という基準値と、ICE性能指数の算出方法については、PUメーカーとF1チームが現在進めている実走時のICE性能測定に関する作業が完了した後に検証され、必要に応じて見直される」

評価期間変更で前倒し判定

FIAはまた、ADUOの対象となるメーカーを判定する評価期間に関する規定を変更した。

2026年シーズン開幕当初の段階では、1回目の判定は第6戦の後に行われるはずだった。当初の第6戦にはマイアミGPが予定されていたが、バーレーンGPとサウジアラビアGPの中止に伴い、第6戦は6月7日のモナコGPとなった。

だが、遅れを取ったメーカーに最初の機会を与えるには遅すぎるとの判断が下されたようで、2026年に限り判定のタイミングが前倒しされた。

ADUO対象メーカーを判断する最初の評価は、5月24日の次戦カナダGP後に前倒しされた。以降は、7月の第11戦ハンガリーGP後、11月の第18戦メキシコGP後に評価が実施される。

  • 第1評価期間:第1戦〜第5戦(旧規定では第1戦〜第6戦)
  • 第2評価期間:第6戦〜第11戦
  • 第3評価期間:第12戦〜第18戦

評価期間に関しては、必要と判断されれば今後も変更される可能性がある。規則には「競技カレンダーに重大な変更があった場合、FIAによって調整される可能性がある」という新たな条項が追加された。

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