
アストンホンダ、振動解消も”新たな頭痛のタネ”が浮上「エンジンよりギアボックスの方が問題」とアロンソ警鐘
プレシーズンテスト段階からアストンマーティン・ホンダが抱えていた頭痛の種がようやく解消された。開幕序盤の数戦にわたり、信頼性、パフォーマンス、さらにはドライバーの「神経損傷」を招きかねないともされてきた振動問題が、第4戦マイアミGPで収束したのだ。
だがこれは、深刻ながらも一つの問題が解決されたに過ぎず、チームが苦境を脱したわけではない。実際、マイアミでは、これまで表面化していなかった別の課題が露呈した。
振動からの解放も、浮上した「ギアボックス問題」
約5週間にわたる中断期間に、ホンダがアストンマーティンと緊密に連携しながら進めてきた作業は、明確な成果を上げた。マイアミGPで導入された対策は、単に振動を軽減したわけではない。アロンソは予選後、その変化をはっきりと認めた。
「消えた。消えたと言っていいと思う」
マイアミでの決勝レースでは、今シーズン初めて2台ともチェッカーフラッグを受けた。振動対策が功を奏したことは、この結果からも明白だった。
振動問題の解消は、小さいながらも重要な一歩だが、むしろ、これまでこの大きな問題に覆われて見えにくかった別の課題が、頭をもたげる契機となり得る。
実際、フェルナンド・アロンソは次に優先して、それも迅速に解決すべき課題があると警告する。それは、マイアミの予選でも問題になったギアボックスだ。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
グリッド上で話をするフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)とクリス・クローニン(シニア・レースエンジニア)、2026年5月3日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
正確な原因はまだ明確ではないが、アロンソ本人はハードウェア面での問題ではなく、電子制御に関わる不具合ではないかと感じている。
オランダの専門メディア『RacingNews365』によると、アロンソは決勝を終えて、「正直に言うと、週末を通しては、エンジンよりもギアボックスの方が問題だった」と説明した。
「電子制御なのか何なのか、シフトダウンとシフトアップがかなり奇妙な感じで、うまく制御されていない」
変速時の不可解な挙動は特に、コーナーへの進入から立ち上がりに至るプロセスに影響する。ラップタイムに大きな影響を与える要素だ。
解消は次戦に向けた「最優先事項」
アロンソは、この問題を次戦カナダGPまでに解決すべき「最優先事項」だと指摘する。理由は明確だ。「カナダにはハードなブレーキングゾーンが数多くあるからだ」と語る。
カナダGPの舞台ジル・ビルヌーブ・サーキットは、長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせが特徴の典型的なストップ・アンド・ゴー型のコースであり、1周を通して加減速が多く繰り返される。
ドライバーがブレーキングに向けてマシンを完全に信じられなければ、コーナーへの進入で攻め切ることは難しい。
アストンマーティンはこれまで長きにわたり、メルセデスからギアボックスの供給を受けてきた。一方、AMR26に搭載されている8速セミオートマチック・トランスミッションは、英国シルバーストンを本拠とするこのチームにとって、久方ぶりの自社製だ。
今後2週間でこの問題を解決できなければ、アストンマーティン・ホンダはカナダでパフォーマンスを制限される可能性がある。