
完璧な今季に初の綻び…アントネッリ「かなり頭にきている」“想定超え”のグリップで16番手 、1年前を思わせる展開に
バクー市街地コースでのクラッシュについて、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は、路面のグリップが急速に増すなか、予想以上にフロントが反応したことが原因だと振り返り、自身の判断を「本当に余計なミス」と悔んだ。
ドライバーズ選手権をリードするアントネッリは、9月25日(金)に行われた2026年F1第15戦アゼルバイジャンGPの予選Q1で、ターン1のイン側ウォールにクラッシュし、16番手に終わった。
チームメイトがQ1でクラッシュするなか、ジョージ・ラッセルは7戦ぶりのポールポジションを獲得したが、アントネッリが優勝争いに戻ってくる可能性を除外していない。
想定を超えたグリップ上昇、Q1で痛恨クラッシュ
アントネッリは現在、シーズン9戦を残して81ポイントのリードを築いており、堅実に結果を重ねれば初タイトルの可能性が非常に高い立場にある。昨年とは異なり、今シーズンは安定した走りを見せてきたため、予選開始早々のクラッシュは意外な展開となった。
クラッシュの原因について、予想以上のグリップに不意を突かれたのかとの質問に対し、アントネッリは「うん、そうなんだ。ラップごとにグリップが急激に上がっていた」と説明した。
「ステアリングを切ったら、前のラップよりフロントがずっと強く反応して、壁に触れてしまった。僕のミスだ。本当に余計なミスだった。正直、かなり頭にきている。明日はもっといい走りをしたい」
このミスは、2025年のタイトル争いの転機となった昨年のアゼルバイジャンGPを思い起こさせるものだった。このレースを迎える時点でオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、チームメートのランド・ノリスに31ポイント差をつけ、自身初のF1王者に向けて順調に歩みを進めていた。
だがピアストリは予選でクラッシュし、決勝ではジャンプスタートを犯したうえ、1周目にクラッシュしてリタイヤ。それまでの流れは完全に失われ、最終的にノリスに逆転の王座を許す結果となった。
ラッセル、16番手からの逆転を警戒
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
ポールポジション獲得を経てドライバー記者会見で質問に答えるジョージ・ラッセル(メルセデス)、2026年9月25日(金) F1アゼルバイジャンGP予選(バクー市街地コース)
アントネッリのミスによりラッセルには、その差を縮めるチャンスが巡ってきたが、9月26日(土)の決勝を前にアントネッリの巻き返しを強く警戒している。
わずか2戦前のイタリアGPでラッセルは、2番手からスタートしてレースをリードしたものの、最終的にチームメイトの逆転を許した。アントネッリは19番グリッドから母国での劇的な初優勝を果たした。
「もちろん、キミを除外することはできない。モンツァでは19番手スタートだった。今回は16番手スタートだから、前より何周か早くトップまで戻ってくるはずだ」とラッセルは語った。
アントネッリのクラッシュについては、「今季、彼が犯したミスはほとんど思い出せない」と振り返った。
「今日は僕ら側のパフォーマンスが素晴らしかった。でも今季の彼はシーズンを通して非の打ちどころがなかった。どのタイトル争いを見ても、最終的に勝つドライバーでさえ途中でミスをすることはある」
「可能性がなくなるまでは、僕は信じ続けて戦い続ける。プレッシャーは感じていない。今はクルマに乗るたびにわくわくする。純粋に、自分への自信が深まっているからだ」
「自信がつき始めると、どんどんいい方向に回っていく。逆に、苦しい立場になると自信を失い始めて、さらに限界を攻めようとする。そういうときにミスが起きるんだ」
「でも言ったように、彼は今季ずっと完璧だった。予選やレースで彼がミスをしたのは、今年これが初めてだ。明日どうなるか見てみよう」
2026年F1アゼルバイジャンGP予選では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間9月26日(土)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。