リアム・ローソン、掲げる車番に”不思議な巡り合わせ”…過酷な状況下でのアルファタウリF1初陣

アルファタウリのガレージに立つリアム・ローソン、2023年7月28日(金)F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)Courtesy Of Red Bull Content Pool

代役としてのF1デビューは常に過酷なものだが、それはリアム・ローソンとて例外ではない。故にアルファタウリはF1第14戦オランダGPで21歳のニュージーランド人ドライバーを全面的にバックアップする。

昨年からレッドブル及びアルファタウリのリザーブ・ドライバーの役割を担ってきたローソンは今年、一度もF1マシンを走らせておらず、アルファタウリの2023年型「AT04」をドライブするのは今回が初めてだ。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

スパ・フランコルシャンでアルファタウリAT03を駆るリアム・ローソン、2022年8月26日F1ベルギーGP FP1

初日FP1からの参加であればまだしも、ローソンは僅か1時間のプラクティスの後に予選に臨む事になる。ザントフォールト・サーキットはオーバーテイクが困難で、グリッドポジションが重要だ。

更に、北海の海岸線に位置するが故に風が強く、空力が大きな比重を占めるF1マシンの挙動を大きく乱すこともしばしばで、加えて予選が行われる2日目は特に、急な雷雨が予想されている。コンディションが移りゆく中でのセッションともなれば、その苦労は計り知れない。

おまけに今週末のフィールドはトップ16が0.763秒以内にひしめく接戦だ。チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、ローソンの準備が整っているとしつつも「遥かに競争的な状況」にあるとして、チーム全体としてサポートしていく意向を強調した。

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2023年4月8日~10日に富士スピードウェイで開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦で優勝したリアム・ローソン(TEAM MUGEN)

逆にこの厳しい状況の中で首脳陣を唸らせる走りを披露し結果を残せれば、キャリアの展望が一気に切り開かれることにもなる。

例えばロバート・クビサの代役としてインディアナポリスでのF1アメリカGPで急遽、代役に抜擢されたセバスチャン・ベッテルは、見事8位完走を果たして当時のF1史上最年少入賞記録(19歳349日)を塗り替えた。その後の活躍は周知のとおりだ。

F1オランダGPのスチュワードはアルファタウリからのドライバー変更の要請を受け、レギュレーションに従いローソンの出走を許可した。掲げるカーナンバー「40」は、昨年のベルギーGPとメキシコGPのFP1に出走した際と同じ番号だ。

なおこれは、角田裕毅とリカルドの前任ニック・デ・フリースの車番を足して(22 + 21)、リカルドの車番(3)を引いた数である。単なる偶然であるにしても不思議な巡り合わせを感じさせる。

注目が集まる中、万が一にも先行を許す事になればこれまでの評価が疑問視される可能性があるという点で、角田裕毅にとってもある意味、一層気が抜けない週末となりそうだ。両者は2019年のユーロフォーミュラ・オープン時代、モトパークのチームメイトという関係だった。


3回目のフリー走行は日本時間8月26日(土)18時30分から、公式予選は同22時から1時間に渡ってザントフォールト・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1オランダGP特集

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