フェルナンド・アロンソ、2019年ラリーモロッコにて
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フェルナンド・アロンソ、初ラリー・モロッコを総合26番手で完走「ラリーの厳しさを目の当たりにした」

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ダカール・ラリーの前哨戦、ラリー・モロッコが10月3日(木)から9日(水)にかけて行われ、TOYOTA GAZOO Racing South Africaのジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組のトヨタ・ハイラックスが優勝を飾った。フェルナンド・アロンソとマルク・コマ組は総合26番手で完走した。

「今回のラリー・モロッコでまた貴重な経験を積むことが出来た」とフェルナンド・アロンソ。「走行テストなどで忙しい2週間を過ごした後、シリーズで最も手強い初めての国際ラリーレイドに臨んだ。完走できて本当に嬉しい。チーム、クルマ、スタッフ、全てにおいて、どれだけ厳しいラリーであったかを目の当たりにした」

「僕らのパフォーマンスには浮き沈みがあったものの、ハイラックスと共に、ポテンシャルは示せたと思う。更に重要なのは、ラリーの間に直面した全ての困難が、僕にとっては格好の学びになったという事だ。優勝したジニエルとアレックス、そしてトヨタを祝福したい。ジニエルは、ナミビアや南アフリカでの数ヶ月にわたるトレーニングの間、僕を指導してくれた。ダカールへの挑戦の大きな助けになってくれている」

フェルナンド・アロンソとマルク・コマが駆るトヨタ・ハイラックス、2019年ラリーモロッコにて

5日間に渡って開催されたラリー・モロッコ。ダカールラリーのディフェンディング・チャンピオンであるナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメルは、ラリー4日目に車両下部が岩に当たった影響で、クランク角センサーを破損。17分以上の大差でリードしていたものの、エンジン・マネジメント・システムが不動となったためリタイアを余儀なくされた。

今回が国際ラリーレイド戦の初陣となったフェルナンド・アロンソとマルク・コマは、5日間の期間中、着実にラリーを走り抜き、ダカールラリー2020へ向けて経験を積んだ。2人は先月、南アフリカ・クロスカントリーシリーズの1戦に出場しているが、今回のラリー・モロッコで初めて、世界最速レベルのラリーレイドドライバーと競い合った。

2人は序盤から様々な課題やアクシデントを経験。初日は15番手スタートだったため、前走車の巻き上げた砂埃の中を走行した。また、204kmのステージ1では岩場で3度のパンクを経験。スペアタイヤは2本のみであったため、他のトヨタ車が到着するまで40分間の待機を強いられた。

トヨタ・ハイラックスを操縦するフェルナンド・アロンソ、2019年ラリーモロッコにて

2日目はサハラ砂漠の縁に位置するメルズーガ砂丘へ向かい、岩場と砂丘が混在する386kmのステージで争われた。アロンソとコマは砂埃の中で見事な走りを見せ、総合10位へとポジションアップ。翌日、上位だけに許される前走車との間隔を拡げてスタートする権利を獲得した。

3日目の363kmのステージは、スタートの5分前になってようやく、競技者へロードブックが渡されるという新規ルールで行われた。トヨタのベルンハルト・テン・ブリンク/トム・コルソール組、アロンソ/コマ組の2台は、共にロードブックに記載されていなかった轍にはまり、揃ってサスペンションを破損。ビバークへ戻って、夜を徹した修復を強いられると共に、タイム加算ペナルティを科せられた。

311kmで争われた4日目もまた、直前に渡されたロードブックで走行。再びパンクに見舞われたアロンソとコマは、すぐにスペアタイヤに交換し、その後、トラブルに見舞われたアル-アティヤ/ボーメル組に追いつき、修理・サポートしようとしたものの、走行継続が不可能だと確認されたため、彼らから未使用タイヤを受け取った。

ヘリコプターとトヨタ・ハイラックス、2019年ラリーモロッコ

9日(水)の最終日は、エルフォードからフェズへの168km。アトラス山脈を越える岩場とワインディングロードが舞台となった。ド・ヴィリエール/ハロ組が首位に立ち、アロンソ/コマ組もこの日、8番手のステージタイムを記録。この日2番目に速いタイムをマークしたテン・ブリンク/コルソール組に続く総合26位でラリーを完走した。

チーム代表のグリン・ホールはフェルナンド・アロンソについて「もう少し時間があれば、ラリー・モロッコのような厳しいラリーの前に、もう数戦南アフリカのローカルレースで経験を積むことも出来たのだが、今回のコースは極めて難易度が高く、走行ルートを前もって検討することも出来ないルールのもとで行われた」

「このような困難な状況の中、フェルナンドは貴重な経験を得たと思う。彼はまだ実感できていないかもしれないが、ダカール参戦発表が迫る中、ここモロッコで得た数多くの経験によって、彼の対応力は格段に高くなるはずだ」と語った。

TOYOTA GAZOO Racingは10月24日(木)に、2020年ダカール・ラリー参戦体制に関する記者会見を、スペイン・タラゴナのポートアベンチュラ・コンベンション・センターで行う。

2019年 ラリー・モロッコ 最終結果

  • 1位: 307号車 ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ
  • 25位: 304号車 ベルンハルト・テン・ブリンク/トム・コルソール
  • 26位: 314号車 フェルナンド・アロンソ/マルク・コマ
  • リタイア: 300号車 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル