決勝レーススタート前のアルバート・パーク・サーキットのグリッドの様子、2019年F1オーストラリアGP
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F1︰2025年までの新コンコルド協定に全10チームが合意、財政の公平性と競争力の平準化に向け一歩前進

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F1は2020年8月19日(水)、今季のグリッドに並ぶ全10チームが2021年から2025年までのF1参戦条件を定めた新たなコンコルド協定に合意したと発表した。

フェラーリ、ウィリアムズ、マクラーレンは18日(火)午後に相次いでコンコルド協定への署名を発表したが、F1は19日(水)午前に、残りの7チーム、すなわちレッドブル・ホンダ、アルファタウリ・ホンダ、メルセデス、レーシングポイント、ハース、アルファロメオ、ルノーも同様に新たな条件に合意した事を明らかにした。

コンコルド協定は、選手権の運営方法や賞金・収益配分などに関する商業面などの取り決めの事で、現行の協定は今シーズン末までを対象としている。新たな協定締結の締切は今月末に設定されているが、今週までに署名したチームには金銭的なボーナスが支払われることになっていた。

この合意は必ずしも、10チームすべての2025年までの参戦継続を約束するものではないが、その意志を表明したという点において喜ばしい成果と言える。

F1は声明の中で「この合意はF1の長期的な持続可能性を確保するものであり、2019年10月に発表された2022年施行の新たなレギュレーションとの組み合わせによって、各チーム間の予算並びにコース上でのパフォーマンス格差を縮小して競争力の平準化を助けると共に、ファンが望んでいるトラック上での接戦を実現することになるだろう。より僅差で競り合うようなレースを実現させることは、より多くのファンをこのスポーツに引きつけ、すべてのチームに利益をもたらし、F1のグローバル成長を継続することになる」と述べた。

また、F1のチェイス・キャリー会長兼CEOは「我々は年初に、パンデミックの流動的な性質上、コンコルド協定の合意には多くの時間がかかるとの見通しを示したが、8月という早期の段階で10チームすべての合意を得ることができた。喜ばしく思う。ファンは、より近接したレース、ホイール・トゥ・ホイールのアクション、そしてどのチームが表彰台に上ってもおかしくないようなスポーツを望んでいる。今回のコンコルド合意は、2022年のレギュレーションと合わせて、これを現実のものとするための基盤を整えるものだ。また財政的な公平性を推し進めるものでもあり、トラック上でのチーム間の格差を縮める環境を整えることになるだろう」と語った。

国際自動車連盟(FIA)の会長を務めるジャン・トッドは「FIAとフォーミュラ1、そして現行10チームすべての間でコンコルド協定が締結されたことは、FIAフォーミュラ1世界選手権の安定した未来を保証するものだ。F1は70年の歴史の中で目覚ましい発展を遂げ、安全性、技術、競争の限界を極限まで押し上げてきた。世界中の人々が前例のない課題に直面している中、F1のすべての関係者が数カ月間に渡って協力し合い、スポーツとファンの最善の利益のために持続可能かつ公正で、エキサイティングな競争を実現するための道筋に合意した事を誇りに思う」との談話を発表した。