角田裕毅、”今季最悪”のレースを経てイギリスでの改良に求める要素とアルファタウリAT04の課題を指摘
曰く「今季最悪のレース」となったオーストリアGPを経て角田裕毅(アルファタウリ)は、第11戦イギリスGPでの導入が予定されているアップグレードに求められる要素と、アルファタウリAT04が抱える現在の課題を指摘した。
クルマの競争力が足らない中、角田裕毅は一貫してトップ10を争う力強い走りを見せてきたが、開発競争が進む中、カナダ以降はそれをドライバーの努力で穴埋めする事は難しくなってきている。
Q1敗退を喫して14位に終わったカナダに続き、先週末のレッドブル・リンクでは1周目に接触するリスクを負わなければならないほどに追い込まれ、71周の中で9回に渡ってトラック・リミット違反を犯し、17位フィニッシュの最終19位に終わった。
シルバーストン・サーキットでの週末に向けて角田裕毅は「おそらく今年最悪のレースの一つだったと思います」と振り返る一方、「色んな事を学びましたし、その点に関しては良かったです」と前向きだ。
オーストリアで導入された新型リアウイングとビームウイングに続き、アルファタウリはフロアを含む大規模アップグレードをシルバーストンで展開する見通しだ。
チーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは「最大の弱点であるレイト・エントリーの不安定さ」に焦点を当てた今季最初の改良になるだろうとしている。
角田裕毅は現在のクルマに欠けているもの、アップグレードによって対処すべき課題について次のように説明した。
「オーストリアではあらゆる面がちょっと足りていませんでした。ドラッグが大きすぎるので、兎に角、ストレートライン・スピードが本当に酷く、それと同時にダウンフォースも十分ではありません」
「ダウンフォースを増やしたいのですが、そうするとドラッグが悪化してしまいます。なのでドラッグを減らす必要がありますし、合わせて(空力的な)荷重も増やさなければなりません」
「この手のアップグレードは、もちろん負荷もそうですが、少し違ったアプローチをもたらしてくれるはずなので、僕は楽観的に考えています」
「データ上でもシミュレーターでも、かなり良い手応えを感じていますので、後はコースで試してみて、どうなのかを確認してみます 」
アップグレードによって弱点が解消され競争力が向上したとしても、それが結果に結びつくかどうかは別の問題だ。
同じ様にグリッド後方争いに甘んじているアルファロメオもまた、過去数カ月間に渡って開発が進められてきた「新しく重要なパッケージ」をシルバーストンに持ち込む。
バルテリ・ボッタス曰く、シルバーストン・サーキットに顕著な高速コーナーでのパフォーマンス向上が「ターゲット」の一つとの事で、周冠宇を含めた2台に搭載される見通しだ。
またアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表は今回のアップグレードに「トップ10復帰」への期待を寄せており、ライバルが開発を進める中において「なお自信を持っている」としている。