「ホンダとの協業はレッドブルにとって極めて有益。共に仕事をするのが楽しみ」と鬼才ニューウェイ
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レッドブルを強豪たらしめるキーマンの一人であるエイドリアン・ニューウェイは、ホンダとの協業はレッドブルにとって極めて有益であり、共に仕事に取り組むことを心から楽しみにしていると語る。
ホンダは2015年にエンジンサプライヤーとしてF1に復帰。3年間に渡ってマクラーレンとタッグを組んだ後、今季よりイタリアの中堅スクーデリア・トロロッソと契約。2019年からの2年間は、英国ミルトンキーンズに拠点を構える強豪レッドブル・レーシングに追加供給する。
レッドブルと商業契約を結んでいる石油メジャー最大手エクソン・モービルは、ホンダとの供給合意を受け、レッドブルの最高技術責任者を務めるエイドリアン・ニューウェイにインタビューを実施。その様子を動画で公開した。その中でニューウェイは、ホンダに対する印象を次のように語った。
「ホンダはF1における偉大な記録を持っているし、エンジニア達は非常に革新的だ。ホンダと組んで仕事が出来るのはレッドブルにとって極めて有益な事だし、本当に楽しみだよ」
ニューウェイはホンダとのパートナーシップに期待感を示した一方で、12年間に渡って苦楽を共にしてきたルノーとの関係は「非常に素晴らしかった」と振り、レッドブルがホンダにスイッチした理由の一つとして、ルノーとの関係性の変化を挙げた。
「ルノーはV8エンジン時代に本当に偉大な仕事を成し遂げたと思う。彼らはブロウン・エキゾーストのような新しいアイデアの開発に対して非常にオープンで、大いに助けられたよ。非常に良いパートナーシップだった」
「ハイブリッド・ターボエンジンが導入された事でそれまでの関係性は変わり、我々は彼らのカスタマーチームとなった。ルノーは自身のチームを立ち上げ、我々よりも自分たちのチームに注力するようになった」
「出来上がったエンジンを提供されるだけの関係よりも、マニュファクチャラーと密接に連携しながら仕事ができる方が魅力的だよ」
レッドブルは現在、他のルノーPU勢がBPカストロールの燃料・潤滑油を使用しているにも関わらず、唯一エクソン・モービル社と契約を結んでいる。BPカストロールがルノーの全面的な協力を得て開発を進めている一方、エクソン・モービルはルノー製パワーユニットの詳細情報にアクセスする事を許されておらず、制限をかけられている。
そのためニューウェイは、ホンダとのパワーユニット供給契約はエクソン・モービル社の開発の自由度を高めることにも繋がるとして、パワーユニット全体の性能向上に大きな利点をもたらす事になるだろうとの考えを示した。
「ホンダとの契約によってモービルは今までよりも自由に仕事が出来るようになると思う。ホンダはエンジンの設計を手がけるマニュファクチャラーだからね。既に決められた仕様にしたがって開発する以上の事が出来るようになるはずだ」