アストンマーチンAMR22の上に立ち、ファンや関係者F1に別れを告げるセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、2022年11月20日F1アブダビGP決勝レース
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セバスチャン・ベッテル「この上ない喜びだった…」託す想いと感謝、引退インタビュー全文書き起こし

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偉大なる人物がまた一人、このスポーツを去った。4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)はキャリア通算298戦目となった2022年F1アブダビGPを入賞圏内の10位で終えて有終の美を飾った。

  • 出走:298戦
  • 優勝:53回(17.79%)
  • ポール:57回(19.13%)
  • 表彰台:122回(49.94%)
  • 獲得ポイント:3098点
  • タイトル:4回(2010~2013年)

F1ラストランに向けてアストンマーチンAMR22に乗り込むセバスチャン・ベッテル、2022年11月20日F1アブダビGP決勝レースCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

F1ラストランに向けてアストンマーチンAMR22に乗り込むセバスチャン・ベッテル、2022年11月20日F1アブダビGP決勝レース

セバスチャン・ベッテル引退インタビュー

4度の世界タイトルと共にラストレースでポイントを獲得しました。気分は如何ですか?

もう2、3ポイント取れれば良かったんだけど、まあ、楽しんでレースができたよ。今日のウォームアップはいつもとちょっと違う感じで、そのままレースに臨んだけど、ライトが消えたら完全にレースモードだった。

今日のレースの戦略はおそらくベストなものじゃなかった。上手くやれていたらコンストラクターズ選手権で逆転(注:後1点でアルファロメオを逆転して6位)できたと思うだけに残念だよ。でも、全体としては本当に良い一日だった。

すべてのサポートに感謝してる。たくさんの旗、たくさんの笑顔、それは本当に本当に特別なもので、すごく素晴らしいものだった。今思っている以上に、これを恋しく思う事になるんだろうね。

セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とミック・シューマッハ(ハース)、ヤス・マリーナ・サーキットをランニングする送別イベント「#RunWithSeb」にて、2022年11月19日F1アブダビGPcopyright AstonMartinF1@Twitter

セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)とミック・シューマッハ(ハース)、ヤス・マリーナ・サーキットをランニングする送別イベント「#RunWithSeb」にて、2022年11月19日F1アブダビGP

アルピーヌとのレースについて。もっと上位でフィニッシュできるように見えましたが、離されてしまいましたね

僕らは(2回目のピットストップを行わず)ステイアウトする事を選んだ。一旦、タイヤにガタが来始めるとずるずると後方へ下がっていった。そういうレースだった。今日の戦略は明らかに不発だった。

レースをしていて後退していく状況はあまり楽しいものじゃない。今日は集団の中でレースをして、(同じくラストレースの)ダニエル(リカルド)と良いバトルができた。でも十分に接近することはできなかった。

ただ最後の数周で彼と一緒にバトルできて良かったと思ってる。2人ともポイントを獲得できたしね。だから良い週末だったと思ってる。

メッセージをお願いします

うーん、もうそんなに言うことはないんだけどね。正直言って、ちょっと魂が抜けたような気分だよ。壮大な週末だった。繰り返すことしかできないよ。

この2シーズンは競技という点では残念だったかもしれないけど、僕の人生にとっては本当に、本当に有益で重要なものだったし色んな事があって、たくさんの事に気づかされた。

僕らが置かれている立場はすごく特権であると同時に、それなりの責任を伴うものだと思う。だから、他のドライバーに少しでも良い仕事を引き継ぐことができればと思ってる。

僕らの行動や発言に、皆にインスピレーションを与える力があるというのは本当に素晴らしいことだと思う。

だから僕は、グルグルと回ってレースをすること以上に、遥かに大切な物事があると思っているけど、レースは僕らが大好きなことだし、それを通じて本当に大切な価値観を伝えることができるならば、それは本当に大きなことなんだ。

この2年間は僕にとって素晴らしいシーズンだったと思う。応援ありがとう。

メッセージ、手紙、そしてすべての愛に感謝したい。だから、、あぁ、寂しくなるね。でも僕のキャリアを通じてこの上ない喜びだった。だからありがとう。

本当にありがとう。

人差し指を立てるお馴染みのポーズでポールポジション獲得を喜ぶセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、2011年10月8日F1日本GP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

人差し指を立てるお馴染みのポーズでポールポジション獲得を喜ぶセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、2011年10月8日F1日本GP予選

2013年10月27日のF1インドGPで優勝したセバスチャン・ベッテルとレッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーCourtesy Of Red Bull Content Pool

2013年10月27日のF1インドGPで優勝したセバスチャン・ベッテルとレッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナー

セバスチャン・ベッテルF1キャリア成績
チーム 順位 出走 優勝 ポール 表彰台
2022 アストンマーチン 12 20 0 0 0
2021 アストンマーチン 12 22 0 0 1
2020 フェラーリ 13 17 0 0 1
2019 フェラーリ 5 21 1 2 9
2018 フェラーリ 2 21 5 5 12
2017 フェラーリ 2 20 5 4 13
2016 フェラーリ 4 20 0 0 7
2015 フェラーリ 3 19 3 1 13
2014 レッドブル 5 19 0 0 4
2013 レッドブル 1 19 13 9 16
2012 レッドブル 1 20 5 6 10
2011 レッドブル 1 19 11 15 17
2010 レッドブル 1 19 5 10 10
2009 レッドブル 2 17 4 4 8
2008 トロロッソ 8 18 1 1 1
2007 トロロッソ 14 7 0 0 0


11月20日(日)に行われた2022年F1第22戦アブダビGPでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインで自身2度目のタイトルシーズンを締め括った。

全22戦のシーズンはこれで全日程が終了した。F1サーカスは冬のオフシーズンを迎える前に、11月22~23日にヤス・マリーナ・サーキットでのポストシーズンテストに臨む。

F1アブダビGP特集