2022年マン島TT、悲劇止まらず死者5名に…ストックトン親子がサイドカーで事故死
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2022年マン島TTサイドカーの第2レース最終ラップで発生したクラッシュにより、イングランド北西部のチェシャー州クルー出身のロジャー・ストックトン(56歳)とブラッドリー・ストックトン(21歳)の2名が死亡した。主催者が明らかにした。
2人は父子だった。事故は先週の金曜日にセザール・シャネルが亡くなったのと同じスタートから1.6km弱の地点、アゴス・リープで6月10日(金)に発生した。
4日(土)の事故について主催者は当初、シャネルではなくオリヴィエ・ラボレルが死亡したと発表したが、身元確認に誤りがあったとして、事故発生から4日後に訂正を行った。責任の所在が何処にあったのかなど、詳しいことは分かっていない。
父親のロジャーは計12回のトップ20フィニッシュと4度のトップ10フィニッシュを達成するなど、20回目のTT出場を誇る経験豊富なライダーだった。パッセンジャーで息子のブラッドリーは今回がTT初参戦で、2人は月曜日のレース1で見事8位入賞を果たしたばかりだった。
コンビを組んで今年5年目のシーズンを迎えたロジャーとブラッドリーは、英国F2サイドカーカップ選手権で数々の表彰台を勝ち取り、2021年にはランキング2位に輝いた。
主催者は声明の中で「ロジャーとブラッドリーの家族、恋人、友人に深い哀悼の意を表したい」と語った。
サイドカーレースは赤旗が振られ、その後のシニアTTは雨で中止された。この日、唯一フルディスタンスで開催された午前のスーパースポーツTTレース2では、マイケル・ダンロップがピーター・ヒックマンに3.2秒差をつけTT通算21勝目を飾り、叔父のジョイが持つマン島TT最多勝記録、26勝にまた一つ迫った。
5月29日(日)に開幕した2022年マン島TTレースでの死者は5名に上る。
6月1日(水)には予選第4セッションでマーク・パースロー(29歳)が事故死する悲劇に見舞われ、4日にはシャネルが亡くなった。ラボレルは依然として重体で、現在も懸命の治療が続けられている。
更に6日(月)には北アイルランドのセイントフィールド出身の52歳、TT参戦80回を誇るベテランのデイヴィ・モーガン(52歳)がスーパースポーツの最終3ラップ目に山岳セクションで事故死した。
高速で公道を駆け巡る100年以上の歴史を持つマン島TTレースではこれまで、マンクスグランプリ、クラシックTTレースを含めて260名以上が命を落としている。