2021年F1プレシーズンテスト初日午前のセッションが、バーレーン現地12日(金)10時から14時に渡ってバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた。

暫定トップタイムを刻んだのはマクラーレンMCL35Mを駆るダニエル・リカルドで、45周を走り込みC2タイヤで1分32秒203をマーク。最多74周を走破したアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー（C3）を1000分の28秒差で抑えてタイムシートのトップに立った。

F1テスト初日総合結果

クルマを降りたリカルドは「午前のセッションは本当に良かった。すべて順調だった。自分の名前がタイムシートの一番上に表示されるのは嬉しい」としながらも「初日テストの目的は信頼性とマシンが問題なく機能する事を確認する点にある」と冷静に語った。

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンも順調にセッションをこなして60周を走破。C2タイヤでトップから1000分の42秒差の3番手に並んだ。

ライバルとは異なりシェイクダウンを行わずにバーレーン入りしたメルセデスは午前をバルテリ・ボッタスが担当するも、開始早々に「W12」にギアシフトの問題が発生。ギアボックス交換を強いられた事で走行僅か6周と、8連覇に向けての挑戦は困難の中でスタートした。

ハースもまた信頼性トラブルに見舞われた。現地8時30分からピットレーン前で「VF-21」のお披露目を行い、まずはミック・シューマッハがコースに出たものの、油圧系統に問題を抱えた事でこちらも15周と厳しい出だしを強いられた。

車体・パワーユニット双方に大規模なアップグレードが投入されたフェラーリ「SF21」はシャルル・ルクレールが午前を担当。順調に周回を重ねていたが、チェッカーフラッグ直前にターン4脇にマシンを止めて初の赤旗の原因となり、事実上午前のセッションはこれで終わりを迎えた。

3日間のタイヤの割り当ては、チーム毎に晴れ用スリックタイヤ（C1～C5）が計30セットで、雨用のインターミディエイトとフルウェットも2セット用意されているが、これらは実際に使用された場合にのみ30本の割り当てにカウントされる。

なおサイドウォールにマーキングがない真っ黒のC3コンパウンド（プロトタイプ）も2セット供給される。ピレリはこれについて、モノとしては標準のC3と全く変わりなく生産のみが異なり、通常のルーマニア製ではなくトルコ製なのだと説明した。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の陽性反応が確認された事で、チーム代表のフレデリック・バスールを欠くアルファロメオは、F1での19年シーズン目に臨むキミ・ライコネンがステアリングを握り、旧友セバスチャン・ベッテル（アストンマーチン）を抑えての6番手タイムを記録した。

新生アルピーヌはフェルナンド・アロンソがガレージ内で見守る中、エステバン・オコンが「A521」をドライブ。満足の55周を稼いで4番手タイムをマークした。

3日間という前例のない短期間にもかかわらず、ウィリアムズは初日にレギュラーではない開発ドライバーのロイ・ニッサニーを起用。イスラエル人ドライバーは39周を走り8番手タイムを記録した。

午後のセッションは日本時間21時より4時間に渡って行われる。セッションの模様はDAZNが生配信する。