MGU-H喪失で変わるF1高地決戦。ターボサイズの違いはオーストリアGPをどう左右する?

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2026年F1第8戦オーストリアGPでは、追加開発・アップグレード機会制度(ADUO)により勢力図が塗り替えられる可能性がある。メルセデスとの首位争いに食らいつこうとするフェラーリは、このパワー重視のサーキットに改良版パワーユニット(PU)を投入する。

ただし、勝負の鍵を握るのは開発競争だけではない。今週末の特異な地理的条件が、新たな不確定要素となることは疑いない。標高700mに位置するレッドブル・リンクでの週末は、新世代PUにとって初の高地での一戦となる。

MGU-Hなき高地戦で問われるエネマネ

シュタイアーマルク州の山中に位置するレッドブル・リンクは、気圧と空気密度が海抜0m地点と比べて約93%にとどまる。そのため、ターボチャージャーはより多くの空気を圧縮することを求められる。

この状況は従来と変わらないが、MGU-Hを失った2026年型PUにとっては未知の試練となる。

ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアは、MGU-H喪失の影響をこう説明する。

「昨年まではMGU-Hがターボチャージャーをアシストしており、エネルギー回生にも貢献していました。ですが、2026年のレギュレーションではMGU-Hが廃止されており、高地でターボチャージャーとエンジンを最適な状態で機能させることがこれまでより難しくなります」

結果として、ターボラグの増大や、ターボの仕事量増大に伴うオーバーヒートなどが想定される。後者は信頼性に影響しかねない問題であるだけに重大だ。

ターボラグ対応策としては、そのトルク不足をバッテリーの電力で補う方法が考えられる。

だが、実質的なコーナーが7カ所しか存在しないレッドブル・リンクはエネルギーを回生できる機会が乏しく、1周を通して電力が枯渇する恐れがあるだけに、”最適なエネルギーマネジメント解”を導き出すことは容易ではない。

有利なのは小型ターボか大型ターボか

ターボチャージャーのサイズという観点では、小型ターボを採用するフェラーリ陣営はターボラグという点で、特に大型のターボを採用するアウディといったライバル陣営と比較して優位にあるといえる。

だが、それが必ずしもラップ全体を通した速さにつながるとは限らない。

小型のタービンは回転体としての慣性が小さく、わずかな排気だけでも素早く回転数を上げやすい。これが鋭い蹴り出しと加速を可能にする。

一方で、高回転時に送り込める空気量には制約が生じる。吸入できる空気が少なければ燃やせる燃料も限られるため、全開区間での伸びが頭打ちになりやすい。

レッドブル・リンクはモンツァに次ぐ屈指のパワー依存型のコースであり、ターボラグの小ささと高回転域での伸びのどちらがラップタイムに響くのか、状況を見通す事は難しい。

今週末は、各PUメーカーの特性の違いとそのパフォーマンスにも注目が集まることになりそうだ。

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