レーシングブルズに技術規則違反、特殊CDS設計でFIAが昨季から警告。カナダGPで「重大」問題に発展

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リアム・ローソンの30号車「VCARB 03」に技術規則違反が認められ、レーシング・ブルズに3万ユーロ(約554万円)の罰金が科せられた。うち2万ユーロは12カ月の執行猶予付きとなったが、ペドロ・ラミーを含む4名のスチュワードは「重大」な問題だと指摘した。

背景には、チームが昨季から警告を受けていたという伏線があった。

機能しなかったVCARBの「CDS」

2026年F1第5戦カナダGPのフリー走行1回目(FP1)開始から10分にも満たない序盤、第1シケインでコースを外れたローソンはパワーステアリングの喪失を訴え、第2シケインの出口でマシンを止めた。原因は、ジョイントの破損によって生じた油圧漏れだった。

本来であればバーチャル・セーフティーカー(VSC)で事足りる状況だったが、マーシャルの人力だけではマシンを動かせず、その結果としてセッションは赤旗中断となった。その原因はVCARB 03にあった。

各マシンには、トラブルで停止した際にクラッチを切り離すクラッチ・ディスエンゲージメント・システム(CDS)と呼ばれるシステムが搭載されている。だが今回、VCARB 03のCDSが適切に作動しなかった。

このトラブルは、週末そのものにも影を落とした。マシンの修復が間に合わず、ローソンはスプリント予選に出走できなかった。「フラストレーションがたまる」とローソンは漏らした。

CDSの役割、違反の根拠

クラッチを切り、マーシャルが人力で車両をコース外に移動できるようにするための装置がCDSだ。コックピット前方にはこれを作動させるためのボタンが取り付けられており、ドライバーやマーシャルが押すことで機能する。

このシステムは、油圧系や電気系に故障が生じた場合にも正常に作動しなければならない。停止したマシンを速やかに動かせるかどうかは、コース上の安全に直結するからだ。F1規則第C9条3項は、この点を明確に規定している。

今回のケースでは、このボタンを押してもクラッチが解除されなかった。そのためスチュワードは、C9条3項への違反があったと認定した。

スチュワードは、「システムがレギュレーションで意図された通りに作動していれば、このインシデントはバーチャル・セーフティーカーの導入によって迅速に処理できたはずだ」とし、今回の問題を「重大」と厳しく評した。

二重機能が招いた警告

スチュワードによれば、レーシング・ブルズのCDSは昨年の段階から、FIAテクニカル・デリゲートを務めるジョー・バウアーに目をつけられていた。

実は、VCARBに搭載されているCDSは、クラッチを解除するだけでなく、アンチストール・システムの制御も担うように設計されていた。バウアーは2025年の段階からこの機構に「懸念」を示し、チームに「警告」を与えていたという。

一つの部品に複数の役割を持たせること自体に違反性はないが、バウアーは、構造が複雑化することで故障のリスクが高まる点を懸念していたとみられる。

なお今回のケースでは、マーシャルが車体を移動させようとした際、CDSボタンではなくオンボードカメラのボタンを押そうとしていたことも判明した。これを受けスチュワードは、主催者による何らかの実地訓練が必要だと提言した。

今後の焦点は、チームがどう対応するかに移る。問題の起きにくい設計に改めるのか、それとも現行のシステムを使い続けるのか。

今回はフリー走行中の出来事だったが、予選やレース中に発生すれば、技術規則違反ゆえに失格処分が科される可能性もある。

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