
前半戦は”無アップデート”で。アストンホンダが描く「後半全賭け戦略」――マイアミでの初W完走を経てアロンソ明かす
2026年F1第4戦マイアミGPの決勝レースにおいて、アストンマーティン・ホンダは今季初となる2台揃っての完走を果たした。フェルナンド・アロンソは15位、ランス・ストロールは17位でフィニッシュした。
順位こそグリッド後方ながら、両車揃ってチェッカーを受けたという事実は、信頼性問題に苦しんできたチームにとって、小さいながらも着実な前進だ。
アロンソは、振動に端を発する一連の信頼性トラブルは収束したとし、週末を通して「前向きな点」があったことは「間違いない」と明言した。
その一方で、グリッド後方を争う現状は今後数戦続くだろうと厳しい見通しを示しつつ、この苦境を打破するための大胆な計画を明かした。それは、シーズン前半戦の改善を事実上放棄し、後半戦に全てのチップを投じるというギャンブルだった。
信頼性確保も拭えぬパフォーマンスの欠如
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd
コーナー出口で隊列を組み先行するランス・ストロールとフェルナンド・アロンソ(ともにアストンマーティン・ホンダ)、2026年5月3日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
マイアミでの週末は、アストンマーティン・ホンダにとって進歩と限界が同時に露呈する3日間となった。アロンソはレース後、パフォーマンスについては「この有様さ」と語り、依然として「厳しい状況にある」と認めた。
最大の収穫は、プレシーズンテスト段階からドライバー達を悩ませていたマシンの振動問題が解消されたことだ。AMR26は最後まで音を上げることなく57周を走り抜き、信頼性の面で明確な一歩を刻んだ。
「今季初めて2台でレースを完走できた。だから、信頼性面では進歩があったと思う。そして昨日も言ったように、振動の問題は今や、解消された」とアロンソは語った。
また、ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアも「パワーユニットに大きな信頼性の問題はなく、初めて2台揃ってレースを完走しました」と前向きな点を強調した。
「振動の大部分を低減する方法を見つけることができました。これにより、土曜のスプリントのような非常に暑いコンディション下でも、信頼性をより確保することができています。これは、正しい方向への小さな一歩です」
一方でそれは、ようやく戦いのスタートラインに立ったに過ぎないということを、2度の王者は誰よりも理解している。次なる課題は競争力の改善だが、アロンソは厳しい試練の時期が続くと考えている。
耐え忍ぶ前半戦、後半戦に全てを賭ける開発計画
今後の見通しについてアロンソは、「しばらくは厳しい挑戦が続く。同じような状況が繰り返されるように感じるだろう。なぜなら、今後もグリッドの後方にいるだろうからね」と予言した。
この停滞は、ある意味で計画されたものでもある。アストンマーティン・ホンダは、シーズン前半戦において大規模な性能アップデートを一切導入しないという、極端な開発戦略を選択したのだ。
アロンソは、サマーブレイク明けに初のパフォーマンス・アップグレードを投入する予定であることを明かし、「僕らは後半戦に全てを賭けている」と笑みを浮かべた。
ただし車体側とは別に、ホンダはパワーユニット側の改善を進めていく。折原TGMは、信頼性問題の収束に伴い「更なるパフォーマンス向上」を追求していくことが可能になったと説明した。
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd
マイクを手にメディア対応するホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア、2026年5月3日(日) F1マイアミGP(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
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