F1モナコGP、2026年規則改定で「でっち上げレース」に終止符。物議の特例はわずか1年で削除

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2026年シーズンの開幕戦を1週間に控えた2月28日(土)、F1レギュレーションが改定され、モナコGPにおける特例が削除された。実質的に2回のピットストップを義務付けるこの規定は、昨年の物議を経て、わずか1年で姿を消すことになった。

このルールは当初、国際自動車連盟(FIA)の世界モータースポーツ評議会(WMSC)による電子投票を経て、2026年の新たな規則にも残されていた。だが、その後の協議によって関連する条項はすべて削除されるに至った。

狙いは裏目に。モナコ特有の「渋滞戦術」を誘発

ペースを落としてメルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリを抑えるカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年5月25日(日) F1モナコGP決勝Courtesy Of Williams

ペースを落としてメルセデスのジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリを抑えるカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年5月25日(日) F1モナコGP決勝

モンテカルロ市街地コースで行われた昨年のモナコGPでは、2度のタイヤ交換が義務付けられた。その狙いは、各チームの戦略の幅を広げることで、コース上での順位変動を促すことにあった。

だが実際には、レーシング・ブルズやウィリアムズのように、2台を接近させて走らせるチームが、追い抜きが極めて難しいコース特性を逆手に取った戦術を展開した。

具体的には、1台のマシンを使って後続を抑え込み、その前方を走行するもう1台のピットウインドウを確保するというものだ。レースの主導権はコース上の攻防ではなく、隊列のコントロールに委ねられた。

期待された順位変動もほとんど起きなかった。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)の技術的トラブルによるリタイアを除けば、トップ10圏内で順位を上げたのはルイス・ハミルトン(フェラーリ)だけだった。

評価が割れた試み、そして終止符

1周あたり4秒以上もペースを落とす役割を担ったドライバーの間には、不満が広がった。チームのためとはいえ、意図的に速度を落とす状況に納得できない思いをにじませた。

実際に、この戦略を実行したウィリアムズのチーム代表ジェームズ・ヴァウルズでさえ、「これまでで最も不快に感じた戦術だった。ルールの隙を突くのではなく、純粋な実力でポイントを争いたい」と振り返った。

ドライバーたちからは「非常に見苦しい」と酷評する声も上がった。優勝を飾ったランド・ノリス(マクラーレン)は、レースを「でっち上げる」ような試みであると厳しく批判した。

一方、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、実質的な2ストップ義務化の規定について当初、「正しい試みだった」との見解を示していた。また、ハミルトンも「間違いなく、今後も続けて試すべきだと思う」と肯定的な評価を下していた。

だが、2026年シーズンの開幕を前に、規則変更がひっそりと承認された。

市街地レースの象徴とも言えるモナコでの実験的な試みは、一度きりで幕を下ろした。見せ場を作るための工夫と、競技としての純度をどう両立させるか。F1は改めて、その難題に向き合うことになる。

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