
F1バーレーンテスト後の勢力図、”一致”したレッドブルとマクラーレンの序列認識
2026年F1公式プレシーズンテスト第1回の3日間が終了した。レッドブル・レーシングのテクニカル・ディレクターを務めるピエール・ワシェは、現時点での勢力図について「メルセデス、マクラーレン、そしてフェラーリがトップにいる」と分析した。
自社製パワーユニット(PU)を初めて実戦投入する今シーズン、信頼性という基盤は確立しつつある。だが、速さという点では、既存メーカー勢との差を縮める作業を本格化させなければならない、というのがワシェの主張だ。
「上位3チームの後方」という自己診断
最終日、マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーは合計114周を走破し、それぞれ5番手と6番手タイムを記録した。周回を重ねることでマシンへの理解は進んでいる。一方で、ワシェの見立ては厳しい。
「今日は明らかに速いチームがいくつかあった。現状で我々は後れを取っているように見える。メルセデス、マクラーレン、そしてフェラーリがトップにいる」
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.
バーレーン・インターナショナル・サーキットを周回するルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2026年2月13日(金) F1プレシーズンテスト3日目
この発言をそのまま受け取れば、レッドブルの自己評価は少なくとも「トップ3の後ろ」ということになる。ワシェは、3年半で自社製PUを完成させたことを「驚異的な仕事」と評価しながらも、実戦パフォーマンスでは既存メーカー勢が先行している可能性を認めた。
この見解は、単にレッドブルが三味線を弾いているというわけでもなさそうだ。
実際、マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラも「現時点で正確な勢力図を見極めるのは難しいものの、メルセデスとフェラーリが我々より競争力を持っているのは明らかだ」と分析している。
信頼性は収穫、課題は速さとバランス
ワシェの慎重な見解は、フェルスタッペンの言葉にも重なる。PUの信頼性確認という点では手応えを示しつつも、開幕に向けた準備の完成度については明確にトーンを落とした。
「PUに関して、これだけの走行距離を稼げたことは良いスタートだ。でも、レースに勝つのに十分かどうかは、まだ分からない。自分たちの事に集中して最善を尽くすつもりだけど、改善の余地はまだ大きい」
フェルスタッペンが挙げた課題は、タイヤへの理解、セットアップの探求、マシンバランスの改善と多岐にわたる。ハジャーはこれらに加えて、タイヤマネジメントを課題として挙げた。
単にレギュレーションが刷新されたというだけでなく、自社製PUを初投入するシーズンゆえ、ドライバー、エンジニア双方の習熟に時間がかかるのは想定内とも言えるが、3強との差は現実的に存在するとみてよさそうだ。
第2回テストへ向けた修正
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブル・レーシングのガレージ内で話し合うチームメンバー、2026年2月12日(木) F1プレシーズンテスト2日目(バーレーン・インターナショナル・サーキット)
ワシェによれば、レッドブルはマシンバランスを中心に課題を抱えており、開発の方向性を修正しながら来週の第2回テストと開幕戦オーストラリアGPに向けたアップデートに取り組んでいくという。
「トップ3の後ろ」という自己診断は、数日間のインターバルでどこまで変わるか。速さへの課題が残る中で迎える第2回テストは、パフォーマンスを追求しつつ、開発の方向性が正しかったのかどうかを確認していく場となる。
オーストラリアでの開幕戦まで3週間余り。PUの信頼性という土台の上に、どれだけ速さを積み上げられるか。レッドブル陣営が第2回テストで打ち出す対策が注目される。