
2026年F1バルセロナテスト《4日目》総合結果/アストン・ホンダ初走行も赤旗5周終了。一方でニューウェイ造形光る
2026年F1バルセロナ・シェイクダウン4日目のセッションが行われた1月29日(木)、最後の真打ちが姿を現した。空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイが、アストンマーティンで初めて手掛けたホンダ製F1パワーユニット搭載マシン「AMR26」がベールを脱いだ。
だが、その高い期待とは裏腹に、カタロニア・サーキットに広がったのは、新たな時代の厳しさを映し出す光景だった。テスト3日目の夜にジローナ=コスタ・ブラバ空港へ到着したマシンは、メカニックやエンジニアの懸命な作業を経て、セッション終了1時間前にようやくコースインした。
カーボン剥き出しの車体でランス・ストロールが慎重に周回を重ねたものの、初走行はわずか5周のみ。コース上で停止したことで赤旗の原因となった。まさに、波乱の初陣だった。
🚨🚨🚨 SE PARA EL ASTON MARTIN!!!!
😐 Se queda tirado el AMR26 tras salir de nuevo a pista#f1 #parati #fernandoalonso #alonso pic.twitter.com/I8tTOGNPjl
— FormulaNacho (@FormulaNacho) January 29, 2026
色濃くにじむニューウェイ造形
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
アストンマーティン・ホンダにおけるエイドリアン・ニューウェイの処女作「AMR26」、2026年1月29日F1バルセロナ・シェイクダウン4日目(カタロニア・サーキット)
限られた走行時間ながら、「AMR26」は独創的な空力処理で早くもパドックの視線を集めている。極限まで切り詰めたアンダーカットを持つ特徴的なサイドポッドや、その後方の極端な絞り込み、そして複雑に処理されたエンジンカバーが実に印象的だ。
特に前者はあまりにスリムなため、ラジエーターを収めるスペースがあるのかと驚くばかりだ。このタイトさは前面投影面積の減少に繋がり、ひいてはドラッグレベルの低減につながる。新たな技術規則において、これは非常に大きなアドバンテージとなり得る。
パッケージ全体からは、空力効率を最優先に据えた思想が色濃くにじむ。限界まで削ぎ落とされた外形は、ニューウェイらしい攻めの姿勢を明らかに感じさせる。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
ガレージ内で待機するランス・ストロールのアストンマーティン・ホンダ「AMR26」、2026年1月29日F1バルセロナ・シェイクダウン4日目(カタロニア・サーキット)
なお、前後のサスペンションはいずれもプッシュロッド方式のようだが、リア側サスペンションはアッパーアームの一つがリアウイングを支えるピラーに直接マウントされているように見える。
今回の遅延は、ニューウェイが設計と開発を極限まで突き詰めた結果との見方もある。ただし、初採用となるホンダ製PUとの統合、内製化されたギアボックス、新たな風洞やシミュレーターなど未知数は多く、アストンの前には無数の課題が広がっており、単純に”攻めた結果”といえるかどうかは疑わしい。
タイムはトップから29.959秒遅れの9番手と、当然にパフォーマンスランには程遠く、その実力はなお厚いベールに包まれたままだが、実質的に2日分の走行枠を失った代償は控えめに言っても小さくない。
最終5日目はフェルナンド・アロンソがマシンに乗り込む見通しだ。
Adrian Newey's first Aston Martin, the AMR26, hits the track in the Barcelona Shakedown! 🤩👀#F1 pic.twitter.com/ytWJSs0s2F
— Formula 1 (@F1) January 29, 2026
頭一つ飛び抜けるメルセデス
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.
メルセデスの2026年型F1マシン「W17」でカタロニア・サーキットを周回するアンドレア・キミ・アントネッリ、2026年1月29日F1バルセロナ・シェイクダウン4日目
対照的に、完成度の高さを誇示したのがメルセデスだ。開幕戦に向けた準備状況は、明確に頭一つ抜け出している。
「W17」はこの日も快調で、午後を担当したジョージ・ラッセルは主にC3ソフトタイヤで78周を走り込み、今週末のベストタイムを大幅に塗り替える1分16秒445を記録した。この段階でのラップタイムに大きな意味はないが、唯一の16秒台は、メルセデスが他陣営より一段先の作業ステージにいることを示唆するものと言える。
チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも90周を走破し、0.636秒差の2番手につけた。メルセデスは合計168周を計上。テスト全体を通しても合計500周を走り、総走行距離は2,325kmと、群を抜く周回数を記録した。
フェラーリもシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンの2人体制で合計170周を消化し、この日のマイレージではメルセデスを上回った。ただ、ルクレールは3番手につけたものの、ラッセルに対しては1.7秒以上の差をつけられた。
レーシング・ブルズはリアム・ローソンとアーヴィッド・リンブラッドが交代で「VCARB 03」のステアリングを握り、こちらも合計111周と周回数を三桁に乗せた。
マクラーレン、問題発生で半日喪失
Courtesy Of McLaren
カタロニア・サーキットでマクラーレンの2026年型F1マシン「MCL40」をドライブするオスカー・ピアストリ、2026年1月29日F1バルセロナ・シェイクダウン4日目
一方で、王座防衛を狙うマクラーレンは、オスカー・ピアストリが「MCL40」のステアリングを初めて握り、セッション開始から約1時間後にコースイン。午前のセッションで48周を重ねたが、燃料系統のトラブルに見舞われ午後は全く走行できず、4番手で終えた。
マクラーレンのパフォーマンス担当テクニカル・ディレクターを務めるマーク・テンプルは、「このクルマは非常に複雑で、原因を突き止めるために分解する判断を下した。明日の走行に向けた対応だ」と説明した。
新規参入のキャデラックは、セルジオ・ペレスが66周を走破したが、トップから4.5秒以上離され8番手にとどまった。
| Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ラッセル | メルセデス | 1:16.445 | 0.000 | 78 |
| 2 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:17.081 | 0.636 | 90 |
| 3 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.223 | 1.778 | 83 |
| 4 | ピアストリ | マクラーレン | 1:18.419 | 1.974 | 48 |
| 5 | リンブラッド | レッドブル | 1:18.451 | 2.006 | 47 |
| 6 | ハミルトン | フェラーリ | 1:18.654 | 2.209 | 87 |
| 7 | ローソン | レーシングブルズ | 1:18.840 | 2.395 | 64 |
| 8 | ペレス | キャデラック | 1:21.024 | 4.579 | 66 |
| 9 | ストロール | アストンマーティン | 1:46.404 | 29.959 | 5 |
最終日となる金曜日は、アストンマーティン、アルピーヌ、アウディ、フェラーリ、マクラーレン、キャデラック、ハース、そしてレッドブルが走行する見通しだ。各チームはバーレーンでの公式テストに向け、最後のデータ収集に臨むことになる。