“ターボ革命”を築いたルノーF1の遺産 ― セナのV6から市販車まで、歴史的な200点超が競売へ

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2025年12月7日、パリ近郊フラン=シュル=セーヌで開催されるオークションハウス「アールキュリアル・モーターカーズ」主催の特別オークションにて、ルノーF1の歴史的コレクションが一挙に出品される。

F1に“ターボ革命”をもたらした1981年から1985年のマシン約20台に加え、アイルトン・セナが1986年に使用したルノー製F1エンジンなど、モータースポーツ史に残る希少な品々が並ぶ。

これはルノーのヘリテージ・コレクション再編に伴い実施されるもので、複数台保有するモデルの一部を出品する。一方で、1898年以降のすべてのモデルを少なくとも1台ずつ保存する方針を今後も維持する。

F1ターボ時代を切り拓いた名車20台

1977年、ルノー・スポールは「RS01」でF1初のターボエンジン搭載マシンを投入し、当時の常識を覆した。

初期は信頼性に苦しんだが、ディジョン・プレノワ・サーキットで開催された1979年フランスGPでジャン=ピエール・ジャブイーユがターボ車での初勝利を挙げ、F1の潮流を一変させた。以降、他チームも次々とターボエンジンの開発に踏み出していく。

ルノーの1985年型F1マシン「RE60」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの1985年型F1マシン「RE60」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノーの1981年型F1マシン「RE30」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの1981年型F1マシン「RE30」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

今回のオークションでは、同ターボ時代に活躍した代表的マシン約20台が出品される。「RE27B」から「RE60 01B」まで、ジャブイーユ、ルネ・アルヌー、パトリック・タンベイ、エディ・チーバー、アラン・プロストといった名ドライバーたちが操ったマシンが揃う。

また、一部のF1マシンには、ヴィリー=シャティヨンのエンジニアたちが当時残した技術ノートが付属。ターボ時代を切り拓いた革新の軌跡を今に伝える貴重な資料を併せて所有することができる。

なかでも注目は、1983年の「RE40」だ。この年、ルノーはターボ技術を頂点まで昇華させ、プロストがシーズン4勝を挙げた。1977年から1985年にかけて、ルノーは123戦のグランプリに参戦し、15勝と31回のポールポジションを獲得している。

ルノーの1983年型F1マシン「RE40」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの1983年型F1マシン「RE40」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

F1ファンにとって見逃せないのは、1986年にセナがロータスで使用したルノー・エルフV6ターボ「EF15」エンジンだ。デトロイトGPとアデレードGPの予選で実際に使用された個体で、輸送用クレートとともに出品される。

アイルトン・セナがドライブした1986年型F1マシン「ロータス98T」に搭載されたルノー・エルフV6ターボエンジン「EF15」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

アイルトン・セナがドライブした1986年型F1マシン「ロータス98T」に搭載されたルノー・エルフV6ターボエンジン「EF15」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノーF1のプロモーションアイテム類、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーF1のプロモーションアイテム類、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

耐久、ラリー、市販車―F1以外の名車も

今回のオークションでは、F1関連を含む800台超のコレクションの中から厳選された約100台の歴史的マシンに加え、レーシングスーツやエンジン、モックアップなど、およそ100点に及ぶ関連アイテムが出品される。

1975年のメイクス世界選手権参戦用マシン、ルノー・アルピーヌ「442」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

1975年のメイクス世界選手権参戦用マシン、ルノー・アルピーヌ「442」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ル・マン24時間レースの象徴、アルピーヌ「A442」のシャシーNo,0は、1975年にイモラとニュルブルクリンク、1977年にル・マンを走った実車で、同年11月のコロンバス・スピードリングでの高速テスト時と同様のリバリーで保管されている。

ラリーからは、「マキシ5ターボ」のプロトタイプB0および「ルノー5 GTターボ・バンダマ」が登場。後者は今なおアフリカの赤土をまとい、アラン・オレイユによる過酷な争いの記憶を宿している。

ルノーの1985年型世界ラリー選手権(WRC)参戦車両「マキシ5ターボ」のプロトタイプB0、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの1985年型世界ラリー選手権(WRC)参戦車両「マキシ5ターボ」のプロトタイプB0、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

「ルノー5 GTターボ・バンダマ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

「ルノー5 GTターボ・バンダマ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

さらに市販車部門では、「4CV」から「5」の警察車両仕様、「フロリード・”ディズニー”」、「クリオ・ウィリアムズ」など、ルノーを象徴するモデルが並ぶ。アルピーヌからは史上最強の「A610エボリューション」、「V6ターボ」、そして「A110」のモックアップが出品される予定だ。

ルノーの小型乗用車「4CV」(1946~1961年)、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの小型乗用車「4CV」(1946~1961年)、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノー「5」(1972年~)の警察車両仕様、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー「5」(1972年~)の警察車両仕様、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノー「フロリード・”ディズニー”」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー「フロリード・”ディズニー”」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノー「クリオ・ウィリアムズ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー「クリオ・ウィリアムズ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

アルピーヌ「610エボリューション」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

アルピーヌ「610エボリューション」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

アルピーヌ「V6ターボ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

アルピーヌ「V6ターボ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

約100点の関連品―モックアップから記念品まで

車両以外にも、風洞実験用モックアップやデザインモデルなど約40点の技術資料も出品される。「R4」、「R5」、パールカラーの「シュペールサンク」、さまざまな仕上げの「トゥインゴ」シリーズに加え、1:5スケールのコンセプトカーや希少なF1モックアップもラインナップされる。

モータースポーツファン向けには、F1エンジンのほか、ヘルメット、レプリカ・レーシングスーツ、ルノーF1のプロモーションアイテムも用意される。

ルノー「R14」「R15」「R6」の風洞モデル、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー「R14」「R15」「R6」の風洞モデル、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノー「トゥインゴ」のモックアップ、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー「トゥインゴ」のモックアップ、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノー製パノラマ鉄道車両の120スケールモックアップ、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー製パノラマ鉄道車両の120スケールモックアップ、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

”空飛ぶ円盤”風のルノーのコンセプトモデル「レイナステラ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

”空飛ぶ円盤”風のルノーのコンセプトモデル「レイナステラ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

さらに、ユーロ・ディズニーと共同制作した”空飛ぶ円盤”風のコンセプトモデル「レイナステラ」(現存3台のうちの1台)、1957年頃のリバティシップ模型、パノラマ鉄道車両の1:20スケールモックアップ、フラン工場の両面時計など、ルノーの創造性を物語る品々も登場する。

コレクターにとっては嬉しいことに、出品物の90%以上はリザーブプライス(最低落札価格)なしで提供される。オークションは12月7日、2027年に新たなヘリテージセンターの開設が予定されるフラン=シュル=セーヌの施設で開催される。

ルノーの2004年コンセプトカー「トラフィック・デッキアップ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの2004年コンセプトカー「トラフィック・デッキアップ」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノーのコンセプトカー「P.E.R.L」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーのコンセプトカー「P.E.R.L」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノーの1933年製バス、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノーの1933年製バス、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

1898年型ルノー「タイプA」の1998年レプリカ、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

1898年型ルノー「タイプA」の1998年レプリカ、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

1901年製ルノー「タイプD」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

1901年製ルノー「タイプD」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

1987年の映画「大迷惑(Lévy et Goliath)」に登場したルノー「21」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

1987年の映画「大迷惑(Lévy et Goliath)」に登場したルノー「21」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定

ルノー・スポール初の市販車「スパイダー」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定Courtesy Of Renault

ルノー・スポール初の市販車「スパイダー」、2025年12月7日の「アールキュリアル・モーターカーズ」の特別オークションに出品予定